バイデン大統領夫人、選挙戦継続に固い決意

Steve Holland Nandita Bose

[ワシントン 3日 ロイター] - 民主党のバイデン米大統領は6月27日、共和党のトランプ前大統領との1回目の討論会で言葉につかえるなどつまずいた。民主党員の一部からは、81歳のバイデン氏は年を取りすぎて2期目は無理だと受け入れてほしいとの声が上がっている。しかし、ファーストレディのジルさんは撤退の考えに「ノー」と語るなど、固い決意で選挙戦継続の態度を貫いている。

ジル夫人はニューヨーク州イーストハンプトンで29日、詰めかけた寄付者に強調した。「(夫の)ジョーは単にこの仕事にふさわしい人物というだけではありません。彼だけがふさわしい人物なのです」

バイデン大統領は今、73歳のジル夫人の支えにかなり頼っている。精神面で鋭敏さを保っているかどうか疑念が湧いても克服し、討論会を契機に政界で巻き起こった嵐を乗り切るには、夫人の支えがないと戦えない。

ジル夫人は2020年、前回の大統領選挙運動中のバイデン氏がロサンゼルスで演説中、壇上に活動家らが走り上がった際、身を挺してバイデン氏を守ったことがある。ただ今は夫に寄り添っているというだけでなく、民主党員間でバイデン氏支持が拡大するよう働き掛けている。

今回のトランプ氏との討論会後には夫に「本当によくやったし、質問全てに答え、情報や知識を全部持っていた」と語りかけた。

28日夜の選挙資金集め集会でジル夫人は、前日の討論会後に夫と交わした会話を披露した。バイデン氏は「何が起きたのか私には分からない。気分がいいとはとても感じなかった」と話したが、ジルさんは「大統領としての4年間は90分間で説明しきれるものではないと私は答えました」と明かした。

ジル夫人の元報道官だったマイケル・ラローザ氏によると、バイデン氏は家族やスタッフ幹部と緊密な関係を保ってきた。そうした輪の中でジ夫人はファーストレディとして影響力があるが「政治的決定者」ではなく、バイデン氏の専門スタッフを信頼しているという。

ラローザ氏は、バイデン氏は今後、恐らく複数のスタッフ幹部の助言も含めて今後の方針を決めるのだろうが「私の考えでは、ジル夫人はそうした決定は気に入らないだろう」と話した。

夫人の広報担当エリザベス・アレクサンダー氏は「どんな夫婦も生活に影響が及ぶ決断を下す時は必ず一緒にするし、彼女は何度も言ってきたことだが、政治はバイデン氏の領域だ」と述べた。

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