決定年収上昇幅ランキング!過去5年間で最も上がった「金融系専門職種」とは

民間給与実態統計調査から「金融業・保険業」の平均給与を確認

2024年4月、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービスdoda(デューダ)が「2023年度 業種版 決定年収レポート」を発表しました。

決定年収とは、転職者を受け入れる企業が採用時に提示する年収のことを指します。

2022年度に比べて、決定年収の上昇幅が大きいのはどのような業種なのでしょうか。

なお、過去5年間で最も決定年収が増加したのは「金融」とのこと。金融業に携わっている方々がどのくらいの給与を受け取っているのかなど、国税庁の民間給与実態統計調査も絡めて見ていきましょう。

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【業種別】決定年収上昇幅ランキング

転職サービス「doda」による「2023年度 業種版 決定年収レポート」から、決定年収上昇幅ランキングを見てみます。

【写真1枚目/全3枚】決定年収上昇幅ランキング。次の写真で国税庁資料より平均年収もチェック

決定年収上昇幅ランキング(2022年度比)

  • 1位 外食 424万円(+29万円)
  • 2位 エネルギー 497万円(+17万円)
  • 3位 運輸・物流 443万円(+12万円)
  • 4位 商社 449万円(+11万円)
  • 5位 コンサルティング等 475万円(+10万円)
  • 6位 金融 498万円(+9万円)
  • 6位 建設・プラント・不動産 441万円(+9万円)
  • 8位 IT・通信 469万円(+7万円)
  • 9位 人材サービス・アウトソーシング等 379万円(+6万円)
  • 10位 医薬品・医療機器等 464万円(+5万円)
  • 11位 インターネット・広告等 453万円(+3万円)
  • 12位 メーカー(機械・電気) 488万円(+2万円)
  • 12位 メーカー(素材・化学等) 462万円(+2万円)
  • 14位 小売 418万円(+1万円)
  • 15位 旅行・宿泊・レジャー 406万円(ー6万円)

2022年度と比べて最も決定年収が増加したのは「外食」で、29万円アップの424万円となっています。

次に、「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)」が17万円アップ、「運輸・物流」が12万円アップと続いています。

過去5年間の決定年収上昇幅ランキング1位は「金融」

2022年度から2023年度までの上昇幅ランキング1位は「外食」でしたが、過去5年間で上昇幅が最も大きかったのは「金融」とのことです。

2019年度から2023年度までの決定年収の増加幅(全業種平均)は約30万円とのことですが、「金融」に関しては62万円アップ(2023年度の決定年収は498万円)しています。

「金融業」には銀行や証券会社、保険会社、クレジットカード会社などが該当し、金融系専門職としては「投資銀行業務」、「運用業務・ファンドマネージャー」、「融資審査・契約保全」などがあり、他にも多くの専門職があります。

金融専門職種の主な年収増加要因としては、採用ニーズが高まっていることが挙げられます。

新NISAを始めとする政府の投資促進や、金融機関におけるビジネスの自由度の高まりなどに伴い、相対的に年収が高い専門人材を採用する動きが活発化しているものと思われます。

また、人手不足を背景とした人材争奪戦が激化しており、採用ターゲット層を40歳代まで広げていることも背景にあるようです。

では、金融業に携わっている方々は、実際にどのくらいの給与を受け取っているのでしょうか。

【年齢階層別】金融業・保険業の平均給与

国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」から、「金融業・保険業」の平均給与額を年齢階層別に見てみましょう。

業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額

「年齢階層別」金融業・保険業の平均給与

  • 20~24歳:365万2000円
  • 25~29歳:485万6000円
  • 30~34歳:581万6000円
  • 35~39歳:675万5000円
  • 40~44歳:724万円
  • 45~49歳:759万8000円
  • 50~54歳:794万円
  • 55~59歳:743万6000円
  • 60~64歳:530万4000円
  • 65~69歳:452万1000円
  • 70歳以上:401万6000円
  • 平均:658万2000円

全職種の平均給与は465万1000円であるのに対し、金融業・保険業の平均給与は658万2000円となっています。

最も平均給与が高い「電気・ガス・熱供給・水道業」に次いで、金融業・保険業は2番目に高い水準です。

転職によるキャリアアップも検討を

今回ご紹介したように、業種によって平均給与や年収の上昇幅は大きく異なります。金融業などは年収増加のトレンドに入っていると考えられるので、転職によるキャリアアップが期待できます。

ただし、キャリアアップの方向性は人それぞれで、様々な選択肢があります。

なりたい自分の姿をイメージしながら自己分析を行い、自分らしいキャリアアップを実現していきましょう。

参考資料

  • パーソルキャリア株式会社「転職サービス『doda』『2023年度 業種版 決定年収レポート』を発表」
  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額」

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