フィリピン大統領、南シナ海での緊張緩和を指示=軍トップ

Mikhail Flores Karen Lema

[マニラ 4日 ロイター] - フィリピンのマルコス大統領は南シナ海での緊張を緩和するよう軍に指示した。軍参謀総長のロメオ・ブラウナー大将が4日明らかにした。

南シナ海で領有権を長年争ってきたフィリピンと中国は2日、ハイレベル会談の後、「信頼回復」の必要性で合意した。

しかし南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)で先月、補給任務中のフィリピン船舶に中国海警局の船が衝突した問題で、押収した銃器の返還と約100万ドルの賠償金の支払いを中国に求める方針は変えていない。

ブラウナー氏はマルコス氏と軍幹部の会議の後、記者団に「(中国に)7丁の銃器の返還を要求した。中国が引き起こした損害に対しても6000万フィリピンペソを支払うよう求めている」と述べた。

また軍が南シナ海での活動についていくつかの選択肢を大統領に提示したと語った。補給活動の実施方法に大きな変化は生じないと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

「最終的な目標は部隊に物資を届けることであり、状況をエスカレートさせることなく航行と上空飛行の自由を実践できるようにすることだ」と説明した。

ブラウナー氏は、大統領の姉のアイミー・マルコス上院議員が2日の動画で、フィリピンを極超音速ミサイルの標的にする中国の計画を知っていると述べたことについて、フィリピン軍は同議員との調整も行うと述べた。

8日に行われる日本との外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、フィリピン軍と自衛隊の相互訪問を認める協定が結ばれることに期待を示した。

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