シーサンパンナ・ダイ族自治州の熱帯雨林で、熱帯雨林の生態に関する知識について、専門ツアーガイドの解説を聞く子どもと保護者。（2023年7月22日撮影、シーサンパンナ＝新華社配信）
【新華社北京7月4日】中国では卒業式シーズンを迎え、夏休みが始まるこの時期、受験を終えた学生の旅行や卒業旅行が今年も盛り上がりを見せている。旅行プラットフォームの予約データによると、「卒業旅行」の検索数がこのところ急増傾向にあり、特に「00後」（2000年代生まれ）世代の間で6～8月の旅行予約が大幅に増加した。学生の旅行熱の盛り上がりを受け、多くの観光地が相次ぎ特色ある夏の文化観光プログラムを立ち上げている。
雲南省文化・観光庁は、西双版納（シーサンパンナ）ダイ族自治州での「野趣あふれる爽やかな卒業旅行」を多くの卒業生に向けてPRしている。「動植物の王国」として知られる同地では、クジャクやゾウなどを間近で見られるだけでなく、水族館「メコン川水底世界」でメコン川流域に生息するさまざまな魚を観察することもできる。他にも、地元の文化観光部門は熱帯雨林トレッキングやキャンプなど、若者向けの観光プログラムを用意している。
甘粛省の嘉峪関関城里風景区で上演された歌舞劇「天下雄関」。（2023年9月19日撮影、嘉峪関＝新華社配信）
万里の長城以北に広がる沙漠地帯も卒業生の旅行先として人気が高い。甘粛省嘉峪関（かよくかん）市は、雄大な砂漠の風景から歴史のロマンを感じてもらおうと、卒業記念チケットや歌舞劇「天下の雄関」の割引など一連の優待策を打ち出した。
河南省鄭州市にある劇場型テーマパーク「只有河南・戯劇幻城」は、先端テクノロジーを駆使した没入型の演劇を通じて同省の中国文明の歴史を表現し、多くの卒業生の好評を得ている。北京からクラスメートと卒業旅行に来たという学生は「ここは楽しめるスポットに加えて数々の文化関連の演目も鑑賞でき、旅行がより有意義なものになる」と語った。テーマパークの職員、劉凱鵬（りゅう・がいほう）さんは「最近、学生の来場者が目に見えて増えた。現在、パーク全体の来場者数の20％以上を学生層が占めている」と紹介した。
雪を頂く祁連（きれん）山脈と嘉峪関関城。（2023年7月19日撮影、嘉峪関＝新華社記者/郎兵兵）
旅行プラットフォームのデータによると、夏の文化観光の予約数（入場券、宿泊、交通機関などを含む）は前年同期比で63％増加した。中でも学生層は観光とイベントを組み合わせた商品に高い関心を示し、予約数を大幅に押し上げている。これは、若者が旅行中により多くの文化的要素や体験型プログラムを求めていることを反映している。学生の旅行先については、新疆ウイグル自治区のアルタイ地区やウルムチ市、四川省成都市、海南省三亜市などが人気を集めている。
卒業旅行は青春時代の思い出の一つとして、その独特な魅力で夏の文化観光を再び盛り上げている。（記者/楊珏）
河南省鄭州市にある劇場型テーマパーク「只有河南・戯劇幻城」で演目を披露する演者。（2023年11月16日撮影、鄭州＝新華社記者/魯鵬）
