アルジェリア系少女が指揮者へと成長 『パリのちいさなオーケストラ』予告編&場面写真

9月20日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかにて全国公開される『パリのちいさなオーケストラ』の日本版予告編と場面写真が公開された。

本作は、現在も精力的に活躍の場を広げているディヴェルティメント・オーケストラを立ち上げた一人のアルジェリア系少女と仲間たちの物語。指揮者を目指すザイア・ジウアニがパリの音楽院への編入をきっかけにオーケストラを結成した実話を、『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』のマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督が映画化した。主要キャスト以外の配役は現役音楽家を抜擢。数々のクラシック音楽が、実際に演奏しながら撮影された。

パリ近郊の音楽院でヴィオラを学んできたザイアは、パリ市内の名門音楽院に最終学年で編入が認められ、指揮者になりたいという夢を持つ。だが、女性で指揮者を目指すのはとても困難な上、クラスには指揮者を目指すエリートのランベールがいる。超高級楽器を持つ名家の生徒たちに囲まれアウェーの中、ランベールの仲間たちには田舎者とやじられ、指揮の練習の授業では指揮台に立っても、真面目に演奏してもらえず、練習にならない。しかし、特別授業に来た世界的指揮者に気に入られ、指導を受けることができるようになり、道がわずかに拓き始める。

『パリのちいさなオーケストラ』予告
公開された日本版予告編は、アルジェリア移民の双子の姉妹、ザイアとフェットゥマがその才能を認められパリの音楽院へ最終学年から編入するシーンで始まる。編入早々、差別的な扱いを受け、「女がマエストロになれるかよ」と馬鹿にされ、指揮棒の代わりにバゲットが置かれる嫌がらせを受けるザイア。その後、特別授業で知り合った世界的指揮者チェリビダッケから直々に指導を受けられるようになり、資金不足や楽団員の確保などさまざまな困難にぶつかりながらも「ディヴェルティメント・オーケストラ」を立ち上げるべくザイアが奮闘する姿が捉えられている。予告編には、劇中にも登場するシューベルトの「交響曲第5番変ロ長調」や、サン=サーンスの『サムソンとデリラ』作品47「バッカナール」といったクラシックの名曲が使用されている。

あわせて場面写真も公開。ザイアがチェリビダッケの指名で指揮棒を振る姿や、師となるチェリビダッケとの交流、仲間との練習風景など、ザイアが音楽によって他者とつながっていく様子が切り取られている。
(文=リアルサウンド編集部)

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