渋谷アクシュ/7/8開業・総事業費275億円、商業は飲食中心に15店舗オープン

渋谷二丁目17地区市街地再開発組合とその参加組合員である東急は7月8日、渋谷駅東口エリアに大型複合施設「SHIBUYA AXSH(渋谷アクシュ)」(東京都渋谷区)をオープンする。4日メディア向け内覧会を開催した。

<渋谷アクシュ>

同施設は、1~4階は商業施設、5~23階はオフィスで構成されている。総事業費は約275億円。

<TSUNAGI-BAがコンセプトと田辺部長>

渋⾕開発事業部 プロジェクト推進第二グループの田辺 秀治 担当部長は、「渋谷アクシュは渋谷における旺盛なオフィスニーズ対応、にぎわい創出、地域の回遊性向上などを目的に開発された。『TSUNAGI-BA』をコンセプトに、ただのオフィスビルではなく、低層部に商業・広場を配置し、周辺エリアとのつながりを強化する。当社は今後も渋谷エリア全体に約5000億円の投資を計画しており、さらに渋谷を盛り上げていく」と意気込みを語った。

<地域の回遊性・にぎわい創出目指す>

※NANZUKAのパブリックアートプロジェクト「NANZUKA PUBLIC」第1弾ジャン・ジュリアン氏作品

商業施設は、周辺で働くオフィスワーカーをメインターゲットとした。加えて、学生、来街者の利用を想定している。日常使いから、打ち合わせに使えるカフェ、ハレの日需要にも対応する15店舗がそろう。

<hale’aina HOA>

飲食店は、ワーカーや学生のニーズが高いカフェが4店舗オープン。東京初出店となる沖縄・恩納村発のハワイアンカフェ&ダイナー「hale’aina HOA」、日本橋の老舗塩問屋「中井商店」が初出店する日本料理店「塩・酒・肴 中井商店」、東京初出店・葉山の一軒家イタリアン「Trattoria Pizzeria207」、世界の食材を卸売りするザート商会の新業態・スペイン発カジュアルレストラン「Cervera JPN」などが登場し、毎日通っても飽きない多国籍なラインアップとした。

<Cervera JPN>

オフィスは、総賃貸面積2万4950m2(基準階面積約1325m2)、全体で2500人規模の就業者が入居可能。ビズリーチなどを運営するVISIONALのほか、IT、不動産、金融系企業などの入居が決まり、オフィスフロアは開業前に満床となった。

<渋谷のオフィス人気が続いていると亀田主査>

不動産運用事業部 事業推進第三グループ 亀田麻衣 主査は、「渋谷はオフィス不足が続いている。エリアで東京都心5区の平均募集賃料をみても、渋谷区は2024年第1四半期で坪当たり平均月2万3075円、道玄坂周辺の200坪以上の大型物件に絞ってみると坪当たり平均3万3000円程度と、非常に人気だ。文化と産業がミックスされた渋谷というエリアはクリエーティブな企業、成長企業に好まれている。渋谷にオフィスがあるとリクルートにも優位だという。三軒茶屋、中目黒といった人気の生活エリアから電車で10分程度なことから、働く・遊ぶ・暮らすが融合する渋谷型都市ライフが楽しめることも魅力だ」と説明している。

<ヒカリエと接続>

回遊性では、渋谷ヒカリエ、渋谷クロスタワーと接続するデッキを新設。5時~25時で利用でき、渋谷アクシュだけでなく、エリア全体のスムーズな移動を実現している。デッキや施設内外には、植栽をふんだんに配置し、渋谷で不足している緑の環境を補った。

<クロスタワーと接続>

■商業施設は飲食中心に15テナントが出店

<商業施設内にも植栽を配置>

1~4階には、新業態や初出店の店舗を含む飲食テナント、アートギャラリー、健診センターなど15テナントが順次開業する。

<NANZUKA TAKEN>

渋谷で創業したギャラリー「NANZUKA」が3階に2025年春オープンする。パブリックアートプロジェクト「NANZUKA PUBLIC」を提供。2階にアートを楽しめるバー「NANZUKA TAKEN」も出店する。

<南塚真史氏>

「NANZUKA」の南塚真史氏は、「3階のギャラリーはオフィスエントランスと隣接している。無料のギャラリーなので、パブリックアート同様、オフィスに来た人にもふらりとアートを楽しんでほしい。2階のバーでも作品を展示しているので、アート体験と飲食で東京のナイトライフを盛り上げる」と話している。

<ANTICO CAFFE AL AVIS>

カフェは、3階に「タリーズコーヒー」、2階に「ANTICO CAFFE AL AVIS」、1階に「hale’aina HOA」、コーヒースタンド「Single O Shibuya」(開業日未定)が登場する。

<Single O Shibuya>

飲食テナントでは、そのほか関東に展開するタイ料理の「チャオタイ」、スパイスカリー&クラフトビールの「Spice Theater」などがオープンする予定だ。

<チャオタイ>

■にぎわい生む2つの広場を設置

渋⾕駅東口エリアの歩行者ネットワークをつなぎ、人々が集う空間として、渋谷駅方面と青山方面に広場を設置した。

<大型シースルービジョン>

渋谷駅方面の広場は、大型シースルービジョン、キッチンカーの出店などでにぎわいを創出する。

<青山方面の広場>

青山方面の広場は、「NANZUKA PUBLIC」により、訪れる人々にアート作品に触れる機会を提供する。年に2~3回ほど入れ替えながら継続的に展示。第1弾は世界的に活躍するフランスのアーティスト・Jean Jullien(ジャン・ジュリアン)氏の作品が登場する。

「The Tank(水槽)」と名付けられた作品はフランス・ブルターニュ地方出身で、海に親しんだ同氏の幼少期の記憶と空想を具現化したという。

■3階のエントランス・共有スペースもこだわった

<植栽をふんだんに配置>

3階のオフィスエントランスには、植栽をふんだんに配置した。

<階段状のスペースで打ち合わせも可能>

共有スペースは、打ち合わせなどに使える開放的な空間となっている。

■渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)
所在地:東京都渋谷区渋谷2-17-1
アクセス:JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東急東横線・田園都市線、
東京メトロ半蔵門線・副都心線、京王井の頭線「渋谷」駅至近
(銀座線ヒカリエ改札徒歩1分)
敷地面積:約3462m2
延床面積:約4万4543m2
規模:地上23階、地下3階
用途:事務所、店舗、駐車場など
高さ:地上120m

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