国内で唯一現存する旧日本海軍の戦闘機「紫電改」新たな展示施設への移送に向け実機調査

国内では唯一、愛媛県愛南町に現存する旧日本海軍の戦闘機、紫電改。今後行われる新たな展示施設への移送に向け、現地調査が行われています。

きょう、愛南町の紫電改展示館。兵庫県の航空機メーカー、新明和工業の技術者が機体の状態を確認していました。

新明和工業 飛行艇技術部 郷田雄志総括課長:

「かなり腐食で痛みが激しいので、この外板で何か力をとるのは難しいだろう。何らかの補修補強が必要だと思う」

1943年に現在の新明和工業が開発した紫電改。そのうちの1機が、いまから45年前の1979年7月。旧城辺町、久良湾の海底から引き揚げられたのです。

元搭乗員 宮崎勇さん:

「もう涙が出てね、物言えなかったです。本当に何か、戦いというのはやるべきでないと。本当に今の平和な世の中を続けないかんと、こういうふうに思います」

以来県では、平和の大切さを未来へ伝えるシンボルとして、展示館を設けて紫電改を一般公開してきました。

今回の現地調査は、今後始まる老朽化した展示館の建て替え移設工事に向けて機体の強度を確認し、補強が必要かどうかを確認するために行われたものです。

新明和工業OB 森吉孝さん:

「平和教育に使ってもらったほうがいいんじゃないかと思っている」

新たな展示館は、現在の展示館に隣接する形で令和8年度に完成の予定です。

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