5年ぶりの警報 高知県で夏の感染症・手足口病が急増 早い時期から警報値超える 乳幼児の抵抗力低下が原因か

高知県内で夏の感染症「手足口病」が流行し、早くも警報値を超えている。しかも「警報」が出るのはコロナ禍前の2019年以来5年ぶり。小児科で詳しく聞いた。

5月中旬から“警報値”に

「手足口病(てあしくちびょう)」はその名のとおり手と足、口の中に2mmから3mmの水ぶくれができるウイルス性の病気で、主に乳幼児がかかりやすいとされている。

県衛生環境研究所によると、2024年は4月に入ってから感染者が増え始め、5月22日に注意報、29日に警報が出た。

県内25の小児科の平均患者数で見ると、5月13日からの1週間で4.32人、次の週以降5.28人、6.36人、8.36人と増え続け、6月19日に発表された6月10日からの週は5.84人で依然、警報の基準を上回っている。

過去10年の平均では注意報が6月中旬に出てピークは7月ごろ。2024年は特に流行の時期が早く訪れている。

コロナ禍の影響で小さい子は抵抗力弱

高知市北新田町にある、ふないキッズクリニックでも患者の数は増えているという。

ふないキッズクリニックの船井守院長は「当院では4月から流行しまして5月6月と流行しています。週に5人から10人ぐらい」と話す。

手足口病の原因は、主にコクサッキーウイルスで、年によって「はやる型」が違うという。主に今はやっている手足口病は、最初に熱1日から2日出る。熱が下がった後、手のひらとか足の裏を中心に発疹が出てくる。その赤い発疹から典型的な水疱・水ぶくれが出てくる。

コロナ禍の間は感染対策が徹底されていて大きな流行が見られなかったため、県内で手足口病の「警報」が出るのは2019年の夏以来5年ぶりだ。

船井院長は「マスクとか外されたのでいろいろな感染症がはやっていて、今まで4年間(コロナ感染予防を徹底したことから手足口病は)流行していなかった。抵抗力がついていないので、小さい子ほど重症化しやすいというか症状が強く出ている」と話す。

症状は対症療法 予防難しく注意が必要

手足口病にはワクチンや治療薬については「残念ながら手足口病のワクチンとか治療薬はなくてあくまでも対症療法」と話す。

熱が高い場合は解熱剤。口内炎が出来た場合は軟膏を処方するが、多くは1週間ほどで自然に発疹も消えていくという。

「手足口病は複数回かかる可能性がある」という。

船井院長:
主に今はやっているのはコクサッキーウイルスA群は20数(以上)の型があって、16にかかったら次は10にかかったり、今はやっているA6にまたかかったり、何回もかかる人はいます。

飛沫感染するため、予防は普通の風邪と同じ手洗い・うがいや患者さんにできるだけ近づかないようにといった予防策しかない。

保育園・幼稚園では流行しているとのことで、手足口病は大人もかかる可能性があり、高熱や発疹の症状が重く出る傾向があるという。

例年のピークは7月ごろ。感染対策はまだまだ必要だ。

(高知さんさんテレビ)

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