【高校野球|注目校⑧万代高校】3年ぶりの単独出場へ!3年生の熱意が生んだ挑戦と絆【新潟】

夏の高校野球新潟大会|注目校⑧万代高校

7月5日に開幕する夏の高校野球新潟大会。今大会の注目校や選手をシリーズでお伝えしていきます。
今回は、3年ぶりの単独出場する『万代高校』です。

2003年創部・万代高校硬式野球部。部員は多い時には30人を超えていましたが、4年前からはひとケタに。他の部活からの助っ人を借りていた時期もありましたが、2022年から他の学校との連合チームで公式戦に出場していました。

■由藤彰人主将
「やっぱり合同チームではなく、単独チームで出たいなという思いは前からあった。」

由藤彰人主将を含む4人の3年生は入学以来、単独チームで公式戦に出場したことがありません。最後の夏は、万代高校として戦いたい―そこで取り組んだのが・・・1年生への“声かけ”。休み時間や放課後に直接、思いを伝えに行きました。
■由藤彰人主将
「一緒に野球を楽しみたいという思いと、ぜひ単独チームとして大会に出て勝利を掴んでいきたいという思いで勧誘した。」

その思いは、選手だけではありませんでした。
■立川司監督
「単独で万代高校で1勝、あるいは万代高校で大会に出場を目標にやっていたので。」

立川司監督は就任以来、単独チームで指揮をとったことがありません。選手と思いを一つに、動きました。
■立川司監督
「野球離れが進む中で、野球部に入ってくれる子を増やしたいと考えて。大人にできることは何かないかなと考えた時に、子どもたちに一人一人に直筆の手紙を渡した。」

入学した1年生の野球経験者へ、思いを手紙にしたためました。
■手紙読み上げる
「万代高校への合格、そして入学おめでとうございます。中学校から送られてきた情報で、野球経験者であるあなたが本校へやってきてくれたことはとても嬉しいです。心待ちにしていました。一生に一度の人生、一緒に『高校野球』をしましょう。あなたと私たちで新たな歴史を創り上げましょう。野球部一同」

その手紙に心を動かされたのが、1年生の髙橋惺大。高校で野球を続ける決め手になりました。
■髙橋惺大選手
「手紙の内容が一緒に万代の歴史を作ろうという内容で、自分が必要とされているなと。万代高校として独立して出たいという気持ちがとても伝わって、(入部を)迷っていた部分があったがその手紙で入ろうと決めた。」

“声かけ”に“手紙”。選手と監督の思いが実を結びます。
■1年生
「最初は硬式になるので迷っていたが、『一緒にやろう』という言葉でやりたいなと思った。」

今年、マネージャーも含む10人の1年生が入部。念願の単独チームでの出場が叶いました。
■立川司監督
「野球を一生懸命頑張りたいという子がまとまって集まってくれたことは非常にうれしく思う。」
■由藤彰人主将
「人数も増えたので練習メニューにも幅ができて、毎日質の良い練習ができるようになった。」

開会式3日前、この日の練習の最後は・・・
「集合!よし!最後行進練習をやろうと思う」単独チームとして3年ぶりに迎える開会式。“行進”にも力が入ります。総勢18人。一つになって戦う、3年生にとっては最初で最後の夏。青夏の夢を駆け抜けます。
■由藤彰人主将
「(これまでは)万代高校の校歌ではなくて別の校歌だったが、今年は是非試合に勝って校歌を球場で聞きたい。」

© 株式会社新潟テレビ21