「ここまでたどりついてこい」子供たちに見せたい背中 “初の2大会連続金メダル” パリ五輪フェンシング代表・見延和靖選手

福井・越前市にある旧武生商業高校出身のフェンシング・エペ日本代表、見延和靖選手。福井県勢としてリオ、東京、パリと3大会連続でオリンピック出場を決めている。悲願の東京オリンピック金メダル獲得から3年、パリにかける思いを聞いた。

1カ月切り“本番の五輪モード”

2021年の東京オリンピックで、日本フェンシング界が獲得した悲願の金メダル。見延和靖選手は、その歓喜の輪にいた。

悲願の金メダルから3年がたち、パリオリンピックへの出場が決まった見延選手に現在の心境を聞くと、「パリオリンピックまで、あと1カ月ぐらいだが、本番のオリンピックモードになってきている」と目に力を込めた。

5月にフェンシング発祥のフランスで開かれたワールドカップで、見延選手擁する男子エペ団体は決勝で地元フランスを破って優勝し、オリンピック団体連覇へ弾みをつけた。

フェンシング・エペ日本代表の見延和靖選手:
当然中心となって、キャプテンとしてチームをまとめていくことは変わらないが、前よりも決定力を高め、ポイントを取りに行き、試合の流れをつくる役割がある。

地元民からの熱いエール

6月16日、地元の越前市で開かれた壮行会には150人を超える地元の人たちが集まった。

会場には、地元の人たちの寄せ書きが飾られていた。子どもたちはダンスでエールを送り、フェンシングの少年チームは応援メッセージの入った国旗を手渡した。

これに応える形で、見延選手は「必ずパリオリンピックでは金メダルをとって、日本代表として、越前市代表として、パリで全力で挑んでいきたい。一緒に戦うつもりで応援してください」と呼びかけた。

地元の人たちに見延選手への思いを聞くと、「スーパースター!もちろん金メダルを取ってほしい」と話す人や、「すごいところがありすぎて、よくわかんない!」と話す少年もいた。「オリンピックで見延選手と一緒に戦うことが夢です」と語れば、親も「見延選手はかっこいいし、憧れ。見延選手のようになってほしい」と次々に見延選手への憧れを口にした。

見延選手も「心も温まりましたし、何パーセントか金メダルに近づいた。突く1点、2点はあの時の越前市の応援の力と思えるようなエールをもらった」と話した。

「ゴールはまだまだ先にある」

日本フェンシング界初の2大会連続の金メダルへ。未来ある福井の子どもたちにも、その姿を見せたいという。

フェンシング・エペ日本代表の見延和靖選手:
道なきところに道を作って“日本人初”というタイトルにこだわり続けて、後輩たちにも背中で示すことで道を作ってきたが、僕のゴールはまだまだ先にある。地元のちびっこたちにもしっかり背中を見せて、つくった道を歩いてもらって「ここまでたどりついてこい」という姿を見せたい。

東京オリンピックは、新型コロナの感染防止で無観客試合だったため、見延選手は「今回は家族にも自分の試合を見せてあげられることが幸せ」と語る。越前市内では、見延選手のパリオリンピックの試合のパブリックビューイングが行われる予定になっている。

(福井テレビ)

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