【早出し】山形市のムービー・オンなど、規格外ピザを再活用し新商品に 

規格外品を使ったピザの新商品販売をアピールした発表会=山形市・ムービーオンやまがた

 フードロス削減に向け、山形市のムービー・オン(吉村和文社長)、プロバスケットボール男子のパスラボ山形ワイヴァンズ、米沢市にピザ工場を置く佐勇(東京、佐藤広志社長)は4日、製造過程で規格外になったピザを再活用した新商品を作り、映画やスポーツなどのエンタメ会場で販売すると発表した。ピザはプロジェクトの第1弾で、今後は連携先や商品バリエーションを増やすとしている。

 佐勇の工場では月約100万枚のピザを作る。人工知能(AI)を使って形状を検査した上で、規格に合う商品を大手の小売店、流通会社に販売している。ただ手作りな上、高精度の検査を通すため、1%程度の規格外品が出るという。

 3者はそこに着目した。ピザは大きさや重さが少し違うだけで流通ルートに乗らないが、品質や味は規格品と変わらない。新たな商品として世に送り出すことを検討し、試作と試食の結果、第1弾の食材にはツナとコーンが選ばれた。

 ピザは今月6日、山形市のムービーオンやまがたで発売される。直径約20センチのピザを半分に切り、折りたたんで映画観賞に適したサイズにする。価格は1個450円で、1カ月間は350円の特別価格にする。ワイヴァンズの試合会場でも販売される。

 山形名物の食材を使うなどした第2弾、第3弾の商品に加え、ワイヴァンズ選手とのコラボ商品も検討中だ。食育の観点から学校での展開も考えるという。

 ムービーオンで開いた発表会で、吉村社長は「食べ物を大切にする思いを広げる」と趣旨を説明。佐藤社長は「地元で作る商品を再活用し、地域に貢献したい」と述べた。試食したワイヴァンズの村上慎也、岡島和真両選手は「生地がモチモチでジューシー。試合会場でも手軽に食べられる大きさ」と感想を語った。

映画館やバスケチーム、ピザ工場がタッグを組み、規格外品を使う新商品として販売するピザ=山形市・ムービーオンやまがた

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