バーベキューで学生死亡事故の学校理事長が初会見し謝罪…報告書「理事長の強権的な経営」原因と指摘

4日午後3時前に開かれた記者会見は、謝罪の言葉から始まりました。

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
心からおわびを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。

深く頭を下げたのは、福岡・柳川市のハリウッドワールド美容専門学校の古賀英次理事長。

バーベキュー事故で生徒が死亡した事故の原因が理事長本人にあると第三者委員会により断罪されたのです。ところが…。

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
このあと、ちょっと会議がひとつもっておりますので。

記者:
これより大事な会議があるということですか?

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
予定をしておりましたので。

そして、謝罪会見は意外な展開を見せたのです。

事故は2023年5月、学校の敷地内で開かれたバーベキュー大会で起きました。

コンロの火を強めようと、男性職員が消毒用アルコールを投入。
これにより生徒4人に火が燃え移り、18歳の男子生徒が死亡しました。

火気厳禁のはずのアルコールが、なぜ現場にあったのか。

実は、アルコールを最初に使ったのは古賀理事長で、“熱中症や食中毒予防、また肉が早く焼けるように消毒用アルコールを使った”と説明しています。

事故後、古賀理事長は公の場に姿を見せず雲隠れ。

そして4日、ようやく報道陣の前に姿を見せたのです。

第三者委員会による事故の調査報告書を受け取ると、古賀理事長は唇をきつく結び、険しい表情を見せました。

第三者委員会が事故の原因と結論付けたのが、古賀理事長の“強権的な経営”です。

事故調査委員会:
長期にわたり古賀理事長による強権的経営が続く中、教職員の中には「理事長には何も言えない」「何を言っても無駄」といった職場意識が醸成され、古賀理事長の順法意識や危機管理意識のまひ・欠如が相まって引き起こされた重大事故と言える。

さらに報告書では、アルコールを投入した男性職員が普段から古賀理事長に厳しくしかられ、「退職届を書かんね」などと言われていたことも明らかにされました。

事故調査委員会:
日頃からそういう人間関係だったのが、この事故の1つの要因になったのではないか。

パワハラのように見える強い上下関係が危険な行動に走らせたという指摘です。

その古賀理事長が午後3時前に再び姿を見せ、事故後初めてとなる会見を開きました。

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
ご遺族の皆さま方に心から深くおわび申し上げます。

用意した紙を読み上げ、10回以上頭を下げて謝罪。

記者からは厳しい質問が相次ぎました。

――1年以上公に説明せず、責任者としては?

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
生徒への心のケア、ご遺族への対応とか、そういうものにあたっておりまして。

――会見のタイミングが遅かった認識は?

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
ございません。

理事長は当初、会見を35分で終える予定でした。

しかし、質問は途切れず記者会見は続行。
男性職員に「退職届を書かんね」と発言したか問われると…。

――「退職届かかんね」発言について

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
あります、あります。「君は少し気が緩んでいるんじゃないね?」という話から指導した。

――ハラスメントになる認識は?

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
真摯(しんし)に受け止めている。行ってはいけないことだと認識。

――職員を追い詰めたことが(事故に)影響したと感じるか?

ハリウッドワールド美容専門学校・古賀英次理事長:
それは感じておりません。

50分ほどで終了した会見で、古賀理事長は4日をもって理事長の職を辞することを表明しました。

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