2日目は「寝坊しないように」 藤田寛之は国内“復帰戦”で出遅れ

シニアメジャーから帰国してぶっつけ本番。藤田寛之は国内復帰戦で大きく出遅れた(撮影/大澤進二)

◇国内メジャー第2戦◇日本プロゴルフ選手権大会 初日(4日)◇富士カントリー可児C志野C(岐阜)◇7164yd(パー71)◇晴れ(観衆2711人)

「全米シニアオープン」の激闘を終えたのは、日本時間の1日(月)深夜にあたる。惜敗の余韻を残して羽田空港に到着したのが3日(水)の午後。藤田寛之が岐阜県の会場近くの宿舎に着いたのは同日午後10時頃だった。

時差ボケが取れるはずもなく、「眠ってから2時間くらいで目が覚めた」夜を過ごし、午後0時35分のティオフに備えた。レギュラー時代、帰国後すぐに日本ツアーを戦うケースが何度もあったとはいえ、今回は悪天候で現地月曜日まで順延したため、まさに“ぶっつけ本番”を余儀なくされた。疲労感たっぷりの初日、3ボギー3ダブルボギー「80」の大たたきを責める人はいない。

疲れていないはずがない(撮影/大澤進二)

藤田はその強行スケジュールを言い訳にしなかった。「身体は重いのは重い。でも、重くてもボールはそれなりにまっすぐ飛ばせるんでしょうけど、きょうは修正が効かずイイとこなしでした」。シニアメジャーの会場に比べると、コースのタイトさが際立つ。「(米国では)この倍くらいはフェアウェイがあった」と“世界”のセッティングとの明らかな違いには、面食らうしかなかった。

米国では途中まで「ほぼ孤独な戦いをずっと続けていた」と振り返る。「終わった後ですよね、ビックリしたのは。その反響に」。期間中、自身のYouTubeチャンネルには連日100件以上のコメントが寄せられた。「コメントが力になるというか、コメントがプレッシャーになるっていう…」と冗談めかしても、「自分は必死にやっていただけだったので、すごくうれしい」と思える。この日も多くのファンや選手からねぎらいの言葉を掛けられた。

コース入りした朝に石川遼からねぎらいの言葉(撮影/大澤進二)

メジャーでプレーオフ負けという好結果を残しても、55歳に浮き立つ様子はない。むしろ「来週も試合があるので、今の自分の体調とゴルフを整えたい」と視線は前を向いている。

次週もレギュラーツアー「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」(北海道・ザ・ノースカントリー)に出場。7月25日(木)開幕の「全英シニアオープン」(スコットランド・カーヌスティGC)参戦後は、再び日本で8月「横浜ミナト チャンピオンシップ」(神奈川・横浜CC)への出場も決まった。「試合でゴルフができるのはすごくありがたい。あしたも一生懸命頑張りたいと思います。寝坊しないように」と笑った。(岐阜県可児市/桂川洋一)

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