「殺意を認定」の一方「被告の反省」も考慮 母親殺害し死体遺棄の男に懲役9年の実刑判決 山形地裁

母親を殺害して遺体を遺棄したとして殺人などの罪に問われた東京都の男の裁判員裁判で、山形地方裁判所は4日、懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

殺人と死体遺棄の罪で判決を受けたのは、東京都千代田区六番町の会社役員・榎本虎太郎被告(41)です。

この事件は去年10月、榎本被告が同じマンションに住む母の萬里子さん(当時76)の首を締めるなどして殺害し、自身が経営する山形県鶴岡市の高齢者施設内に遺棄したとされるものです。

裁判で榎本被告は「母を殺すつもりはなかった」と殺意を否定し、起訴された内容を一部否認していました。

検察側は「首や口を数分間にわたって強く圧迫していて、強い殺意があった」などとして懲役11年を求刑。一方、弁護側は「被告は幼いころから母親から虐待を受けるなどの確執があった。犯行時は口論になってとっさに及んだ行動だった」と殺意はなかったと主張していました。

4日の判決公判で山形地裁の佐々木公裁判長は「被告は窒息死する危険性が高いことについて 十分認識していた」と殺意を認定した一方、被告が反省している点などを考慮し、懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

榎本被告の弁護士は「控訴するかどうかは被告の意向を聞いて検討する」としています。

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