【日本人選手の月間通信簿 6月 投手編】厳しい試練を受けた6月の日本人投手陣

日本人投手は6月にどのような活躍を見せてくれたのか、それぞれの投手の成績を振り返り、独断と偏見で通信簿としてA~Eの5段階で評価。メジャー1年目から好投を続ける山本、今永、松井らには初めて味わう試練が待っていた。

快進撃を続けるドジャースを、メジャー1年目から牽引する山本由伸。ヤンキースとの伝統の一戦では圧巻のピッチングを披露するも、思わぬアクシデントが日本を代表するエースを襲った。

山本由伸(ドジャース) GRADE:A
1勝0敗 防御率0.60 奪三振15 WHIP0.93

6月1日のロッキーズ戦は6回7安打1失点7奪三振で幸先よく6勝目を飾ったドジャースの山本。ヤンキー・スタジアムに乗り込んだ伝統の一戦では、白星こそつかなかったが、7回2安打無失点7奪三振と圧巻のピッチングを披露した。

6月も無双の投球を続けるかと思われたが、15日のロイヤルズ戦、2回1安打無失点で投げ終えた直後に右上腕三頭筋の張りで緊急降板し、右肩腱板(けんばん)の炎症で自身初の故障者リスト(IL)入り。前半戦での復帰は絶望となったが、ここまでの好投から評価はAとした。

今永昇太(カブス) GRADE:C
2勝1敗 防御率5.67 奪三振25 WHIP1.33

5月29日に初黒星を喫し、防御率1.86で挑んだ今永の6月は、4日のホワイトソックス戦に先発して4回1/3を5失点(自責点1)と厳しいスタートとなった。しかし、そこから立て直し、9日のレッズ戦は6回2/3を5安打2失点で6試合ぶりの6勝目。続くカージナルス戦でも7回4安打1失点で7勝目をマークした。

だが、またも試練が今永を待っていた。21日のメッツ戦では3回で11安打10失点と打ち込まれ2敗目。27日のジャイアンツ戦でも勝ち負けはつかなかったが、6回5安打3失点。防御率3.07となったことで、評価は厳しいがCとした。

菊池雄星(ブルージェイズ) GRADE:C
2勝4敗 防御率6.26 奪三振32 WHIP1.57

菊池も6月は、1日のパイレーツ戦で5回1/3を6失点(自責点5)の黒星スタート。6日のオリオールズ戦ではメジャー通算700奪三振達成とともに、6回1失点6奪三振で3勝目を挙げた。

続くブリュワーズ戦も5回無失点で勝利するも、そこから3連敗。23日のガーディアンズ戦は2回8安打4失点でKOされるなど、後半も持ち直すことができなかった。

前田健太(タイガース) GRADE:C
0勝2敗 防御率4.74 奪三振15 WHIP1.42

6月最初の登板となった5日のレンジャーズ戦は、わずか2球で右わき腹に異変を感じて緊急降板。IL入りは回避したが、その後の4登板で2敗とゲームを作れなかった。28日のエンゼルス戦では、6回に打球が左手を直撃して降板。大事には至らなかったようだが、前田にとって6月はアクシデントで始まり、アクシデントで終わる不本意な月となった。

松井裕樹(パドレス) GRADE:C
0勝2敗0セーブ 防御率4.91 奪三振13 WHIP1.55

松井の6月は、2日のロイヤルズ戦、3対1と2点リードの9回に登板したが、1/3回を2安打3失点のサヨナラ負けとなる黒星スタート。4日にも黒星を喫したが、その後は持ち直し、自己最長の11試合連続無失点をマークした。29日のレッドソックス戦では吉田正尚とのメジャー初対戦が実現。一ゴロで松井に軍配が上がった。前半の連続黒星も、その後の好投で評価はCとした。

ダルビッシュ有(パドレス)登板なし

5月29日に左足付け根の張りで降板してIL入り。復帰直前の6月24日に今度は右ひじの炎症が見つかり、25日の登板を回避。野茂英雄に並ぶ日米通算201勝への挑戦は後半戦になる見通しだ。

上沢直之(レッドソックス)登板なし

5月2日にメジャーデビューを飾り、2試合に登板するもマイナー降格。AAA級から再昇格を目指している。5月3日の登板ではピッチクロック違反などで失点を許した。

千賀滉大(メッツ)登板なし

右肩の張りで今季まだメジャーでの登板はないが、ようやくマイナーでのリハビリ登板を開始した。

藤浪晋太郎(メッツ)登板なし

右肩を痛めて今季まだメジャーでの登板はないが、すでにルーキーリーグで実戦登板を行っており、復帰は近いとみられる。

6月に登板した日本人投手は、誰もが試練を受ける形となった。そのため、負傷離脱の山本以外は厳しい評価となったが、復活の兆しを見せている投手も多い。近く負傷から復帰が予定されている投手も併せて、後半はどのような投球を見せてくれるか、今後の活躍に期待したい。

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