23歳に“ビビッと”来た? 鈴木愛はメジャー同伴選手のスイングに一目ぼれ

悩んできたテークバックに活路。鈴木愛が4位で発進した(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 初日(4日)◇真駒内CC空沼コース (北海道)◇6667yd(パー72)◇晴れ(観衆1449人)

ここ数年、鈴木愛はショットに関してテークバックの部分で悩んでいたという。「元々すごくインサイドに上げ気味で、クラブを真っすぐに上げたいと思うとフェースを被せ気味に上げちゃって」。インサイドの度合いを減らそうと意識しても、体の動きとイメージが合わずに模索が続いていた。

通算20勝を誇る鈴木だが、これまでスイングで参考にした選手はおらず、独自路線で腕を磨いてきた。「結構自分のスイングは独特ではあったので、フィーリングをすごく大事にしていた。あまりビビッとくる選手がいなくて…」。そんな悩みを打開してくれそうな機会は、突然に訪れた。

「YouTubeで韓国ツアーの映像が流れてきてチェックをしていたら、たまたま今年の全米女子オープンで一緒に回った子のスイングで。プレー中も『超スイングが綺麗』と思っていたけど、やっぱり超良いスイングをしていた」。予選ラウンド2日間をともにした24歳で、世界ランキング35位のパク・ヒョンギョン(韓国)のスイングを食い入るように見た。

この日はネガティブな要素がひとつも出なかった(撮影/中野義昌)

「テークバックの上げ方が、もうすごい好き。これをちょっと参考にしたい」と、就寝前とスタート前に毎回見直してはイメージを作る。あとは練習あるのみ。「リズム、上げ方、スイングの軸を自分なりにチェック」して臨んだこの日は、6バーディ、1ボギーの「67」でプレー。首位と2打差の5アンダー4位でスタートした。

「今日はほぼミスショットなしで、久しぶりにこんなに良かった感じ」と満面の笑みを浮かべる。グリーン右手前にカップが切られた終盤17番(パー3)では、ピン右1mにつけて6個目のバーディを奪った。「もう打った瞬間、完璧って。絶対チャンスについている」と、グリーンへの着弾前からチャンスを確信する一打も出た。迷いを払しょくする“お手本”とメジャーで同伴していた偶然を、さらなる成長へとつなげたい。 (札幌市南区/石井操)

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