『同性愛』で監禁されたアフリカ出身の男性「母国では同性による性行為が処罰対象」難民と認める判決

同性愛者であることを理由に母国で迫害を受けた北アフリカ男性出身の男性が、難民と認めるよう求めた裁判で、大阪地方裁判所は男性を難民と認め、国が不認定とした決定を取り消すよう命じました。

■同性愛やめないと「逮捕する」と言われ日本に逃れる

北アフリカ出身の30代男性は、男性と交際したことを理由に家族に監禁され、暴力を受けるなどした上、警察に相談しても同性愛をやめないと「逮捕する」と言われたということで、2019年12月に日本に逃れてきました。

■迫害を理由に難民と認めるよう申請も不認定に 国に決定取り消すよう裁判起こす

男性はこうした迫害を理由に、難民と認めるよう申請しましたが2021年2月に不認定となり、審査請求もしましたが覆らず、国に対して不認定とした決定を取り消すよう求めて裁判を起こしていました。

■「男性が帰国すれば家族から危害加えられ、逮捕や訴追される恐れあり」

4日の判決で大阪地裁(徳地淳 裁判長)は、「男性の母国では同性による性行為が法律で処罰対象となっていて、警察官などからも差別や暴力を受ける恐れがある」などと指摘。

その上で「男性が帰国した場合、家族から危害を加えられたり、逮捕や訴追されたりする恐れがあり、国からの保護も受けられず、難民に該当する」などとして男性を難民と認定し、国に不認定とした決定を取り消すよう命じました。

■「不安だったが、(難民と)認められてうれしい」

判決を受けて男性は「不安だったが、認められてうれしく思う」と話しています。

国側は「判決内容を精査して適切に対応したい」とコメントしています。

同性愛者など性的少数者であることを理由に難民と認める判決は全国で2例目だということです。

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