対中EV関税は欧州メーカーの競争力削ぐ 独自動車工業会が声明

対中EV関税は欧州メーカーの競争力削ぐ 独自動車工業会が声明

河南省の鄭州航空港区にあるEV大手、比亜迪(BYD)の工場で撮影したNEV「宋Pro」。(4月24日撮影、鄭州=新華社記者/李嘉南)

 【新華社ベルリン7月4日】ドイツ自動車工業会(VDA)は3日、欧州連合(EU)が中国から輸入する電気自動車(EV)に暫定的な補助金相殺関税(CVD)を課すことに反対する声明を発表した。関税賦課はEUの利益にならず、欧州の消費者と企業に悪影響を与えるだけでなく、EU域内のEV市場の発展も妨げ、気候変動目標の達成にとってもマイナスだとの認識を示した。

 VDAは声明で次のように指摘した。中国製EVの輸入に対する暫定的CVDは、欧州自動車メーカーとその合弁企業に特に影響を及ぼす。EUが輸入する中国製EVのかなりの部分は欧米のメーカーが製造したもので、これら企業の中国での協力・生産は欧州のエネルギー転換と競争力向上の重要な基盤になる。また中国の原材料やバッテリーなどの先進技術は、欧州のEV産業を支えており、追加関税は欧州市場でのEV価格をさらに高騰させ、消費者の購入にブレーキをかけることになる。

 VDAはさらに、中長期的に見て中国製EVが欧州市場に「殺到」することはないとし、欧州自動車産業の競争力向上は、保護貿易措置ではなく、技術革新と自由貿易の促進を通じて実現すべきだとの見方を示した。同協会は欧州委員会に対し、中国製EVに対する暫定的CVDを取り下げ、対話を通じて問題を解決し、開かれた市場の保障、サプライチェーンの安全性の確保、環境保護目標の達成に中国と共に取り組むよう呼びかけた。

 ミュンヘンに拠点を置くifo経済研究所は3日に発表した報告書で、関税によって中国製EVの地位は揺るがず、欧州自動車メーカーの効率も向上しないと指摘している。

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