ふとんのジメジメ・悪臭は天日干しで解決しない!梅雨時季の盲点と対策を気象予報士が解説

湿気が多い梅雨の季節、ふとんがなんだかジメジメしたり、いや~な臭いがしたりするのは、湿度の高い梅雨だからしかたない…なんて思っていませんか?
じつはそれ、湿度だけの問題ではないんです。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、ふとんのジメジメ・悪臭の本当の原因と対策を解説します!

ふつうに寝るだけで汗をかく

自分はそんなに寝汗をかかない…そう思っている人も多いかもしれませんが、そもそも人間はふつうに寝るだけでけっこう汗をかいています。一晩でだいたいコップ1杯分、約200mlです。
とくに熱でうなされていなくても、あるいは特別暑い日でなくとも、コップ1杯分くらいの汗はかいているわけです。

もしコップ1杯分の水を床にこぼしてしまったら、拭き掃除がかなり大変ですよね。そのくらいの量の汗を、寝具は毎晩吸い取ってくれているのです。

ふとんを干しても塩分は抜けない

寝ている間に汗をかいてふとんが湿っても、干せば乾くでしょ?と思われるかもしれません。
でも、ちょっと考えてみてください。

みなさんご存じのとおり、汗には塩分が含まれています。
そして、ふとんを干したときに蒸発するのは、水分だけ…つまり塩分はそのままふとんに残るのです。

さらに残念なことに、塩分は湿気を吸収しやすいという性質があります。
そのため、ふとんを干すだけだと塩分によってベタベタ・ジトジトしてしまい、カビが生えてしまったり、ダニが増えやすくなってしまったりするのです。

もちろんふだんから湿気はふとんの大敵ですが、とくに日々の湿度が高くダニの繁殖もしやすい梅雨時季は、いつも以上にリスクが高くなってしまいます。

塩分のほかにも…

汗には、水分と塩分のほかにも、乳酸やタンパク質などの老廃物が含まれています。こういった老廃物も、やはり干すだけでは抜けません。たとえ定期的にふとんを干しても溜まっていき、時間が経つと悪臭の原因になってしまうのです。

しかも、真夏であればすでに「汗をかく」という行為に体が慣れているので、塩分やタンパク質が比較的少ないサラサラの汗をかくことができるのですが、梅雨の時季はまだまだ体が慣れる前で、そういった水分以外の成分の濃度が濃くなりがちなのです。

定期的にコインランドリーやクリーニングの利用を

天日干しで取り除くことができるのは水分だけなので、ふとんのカビ・ダニや悪臭を防ごうと思うと、やはり洗う必要が出てきます。

最近はふとんを丸ごと洗えるコインランドリーが増えているので、自宅の近くで探してみるのもおすすめ。
クリーニングだとコインランドリーよりお金はかかりますが、カビが生えてしまって買い替えるよりは経済的です。

また、タオルケットや薄手の掛け布団なら洗濯機対応の商品もあります。
この機会に、自宅の寝具についている洗濯表示を見直してみてください。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部

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