車の頭金はいくら必要?平均相場や返済額・利子額のシミュレーション

車を購入する際はローンを組むケースが多いですが、全額を借り入れるのではなく、ある程度の頭金を用意するのが一般的です。「頭金はいくら必要?」「車の頭金はどうやって払う?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、車購入時のローンの頭金について、詳しく解説していきます。

この記事でわかること

  • 頭金の平均相場
  • 頭金なしで購入するメリット・デメリット

車を買うときの頭金の相場

頭金の適切な金額は、購入する車の価格によって大きく異なります。そのため、車の頭金を用意する際は、年収や車両価格に対する割合で考えるとよいでしょう。

車購入の頭金は、本体価格の20~30%程度が相場となります。例えば、本体価格が300万円の車の場合、頭金として60~90万円を用意するのが理想的です。

いくらまでローンを組めるのか把握することも大切です。ローン審査における、年収に対する年間返済額の割合は25~35%程度が目安となります。ディーラーローンや銀行以外のカーローンの借入可能額は年収の3分の1までとされています。

以上の情報を踏まえて、車をローンで購入する際の頭金の目安を、購入する車の価格ごとに紹介します。購入する車の価格によって、頭金が異なってくることがわかります。

頭金を入れるメリットとデメリット

頭金を用意するかしないかを判断するために、頭金のメリット・デメリットを確認しておきましょう。車の購入時に頭金を用意するメリット・デメリットは、下表の通りです。

メリット

  • 借入額を小さくできる
  • 高額な車も購入しやすくなる
  • 審査に通りやすくなる

車の購入時に頭金を用意すれば、そのぶん借入額を小さくできます。一回あたりの返済額が小さくなり、返済期間を短くできる可能性が高いです。借入額が小さいほど利息も小さくなるため、返済総額を抑えやすくなります。

高級車を購入しやすくなる点も、頭金を用意するメリットです。借入可能額は年収の3分の1が目安とされていますが、高級車になると、借入額に対して必要年収が届かない恐れもあります。頭金を用意すれば借入額を小さくできるため、選べる車の価格帯が広くなるでしょう。

頭金を用意すると、審査が通りやすくなるのもメリットです。ローン契約時に行われる審査では、十分な返済能力があるかをチェックされます。頭金があると借入額が小さくなり、審査の厳しさが緩和されます

デメリット

  • まとまった資金が必要になる
  • 車購入までに時間がかかる恐れがある
  • 支払いの手間が大きくなりやすい

頭金を用意するデメリットの1つが、まとまった資金が必要になる点です。車の価格ごとに頭金の目安を紹介しましたが、本体価格が比較的安い車でも10万円を超える頭金が必要です。車の価格によっては数十万~100万円以上の頭金が必要になります。

それだけの大金を用意するとなると、時間がかかる恐れもあります。頭金は家計や貯金に大きな影響を与えます。資金的な余裕が十分にある状態で車を購入するのが理想的ですが、貯金に時間を要して車購入が遅くなるケースも考えられます。

また、頭金の支払いと借入の両方をする場合、手続きの量が増えるのも、デメリットといえるでしょう。

頭金によって変動する支払総額について

車購入の支払総額は、頭金の額によって大きく異なります。頭金による支払総額の違いについて、シミュレーションを行なった結果を下表にまとめました。

シミュレーション条件

  • 200万円の車を金利3%
  • 借入期間5年(ボーナス払いなし)

同じ金利・借入期間でも、頭金の額によって支払総額が異なります。車の価格が高くなるにつれ借入額も増えるため、頭金による支払総額の違いがさらに大きくなることに注意してください。

頭金の支払い方法とタイミング

続いて、頭金の支払い方法と、支払いのタイミングについて解説します。

支払い方法

頭金の支払い方法はおもに現金払い、振り込み、クレジットカード払いの3種類です。それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

現金払い

  • メリット:支払い確認までのスピードが早い、頭金全額をその場で支払える
  • デメリット:一時的に手元の現金が多くなり盗難・紛失リスクが高まる

振り込み

  • メリット:現金を引き出す必要性ない、多額のお金を安心して支払える
  • デメリット:振込確認までに時間がかかる、振込手数料がかかる

クレジットカード払い

  • メリット:決済までのスピードが早い、支払いの手間が少なくて済む
  • デメリット:カードの利用限度額の範囲でしか頭金を払えない

選択できる支払い方法は販売店によって異なるため、事前に確認しましょう。

支払い時期

頭金の支払時期は、一般的に契約時と納車時です。契約時に手付金として一部を支払い、納車日までに残額を支払うケースが多いです。ほかにも、以下のパターンが挙げられます。

  • 契約の締結後、納車日を期日として支払う
  • 契約の締結後、正確な納車日が決まったタイミングで支払う
  • 納車日に全額を支払う

頭金の支払時期もディーラーによって異なるため、早めに確認するようにしてください。支払いのタイミングをあらかじめ確認しておくことで、余裕を持って支払準備を進められます。

頭金なしで購入するメリット・デメリット

車のローンは、頭金なしでも組めますが、その場合は必要な資金をすべて借り入れる「フルローン」を組むことになります。頭金なしで車をローンで購入する際のメリットとデメリットを解説します。

頭金なしでローンを組むメリット

頭金なしでローンを組むメリットは、以下の通りです。

まとまった費用を貯める必要がない

頭金なしでローンを組む場合、資金が貯まるまで車の購入を我慢する必要がありません。

手元のお金がなくならない

現在の貯蓄を切り崩さなくて済む点もメリットです。生活費や将来のための貯蓄も守れます。

ほかの支払いが圧迫しない

車が欲しくなったタイミングで、ほかの大きな出費が発生してしまうことがあります。しかし、頭金を負担する必要がなければ、ほかの出費にも対応できるでしょう。

頭金なしでローンを組むデメリット

頭金なしでローンを組むデメリットは、以下の通りです。

月々の支払いが多くなる

頭金なしでローンを組むとそれだけ借入額が大きくなるため、月々の返済額も大きくなります。

ローンの審査が通りにくくなる

ローンは、借入額が大きくなるほど審査のハードルが上がります。頭金なしでローンを組む場合は、借入額が大きくなるため、審査に通りにくくなるので注意してください。

総返済額が増える

借入額が大きくなると、それに比例して利息も大きくなり、総返済額が大きくなってしまいます。

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車を乗り換える場合は頭金を貯めやすい

現在使用中の車を乗り換えるのなら、車を売却して頭金用の資金を作るのがおすすめです。車をなるべく高額で売却するコツとして、以下の4つが挙げられます。

  • 複数の業者に査定依頼をする
  • 高額売却が狙えるタイミングを選ぶ
  • 車の価値が下がる前に売却する
  • 査定前に車をきれいにする

新しい車をディーラーで購入する場合、同時に古い車を買い取ってくれます。手続きが一度で済むので楽ですが、ディーラーよりも車の買取専門業者の方が高値で買取してくれる可能性があります。買取価格は業者によって異なるので、複数の業者から査定結果を受け取るのがおすすめです。

また、年度末となる3月など、車の需要が高まる時期は、査定額が比較的高くなります。車の年式や走行距離が一定を超えると、査定額が一気に下がる点にも注意しましょう。査定前には車をきれいにしておくと、査定するスタッフの印象が良くなる可能性があります。

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月々の負担を減らすなら残価設定型クレジット

ローンの負担をなるべく抑えるためには、購入時になるべく高額の頭金を支払うのが効果的です。しかし、頭金を支払うためにはまとまった資金が必要で、それを貯めているうちに車の購入が遅くなってしまう恐れがあります。

頭金を最小限にしつつも月々のローン負担を抑える方法として、残価設定型クレジットがあります。残価設定型クレジットとは、将来的に下取りしてもらう前提で車を購入する方法です。購入段階で下取り価格を設定し、本体価格から下取り価格を引いた額に対してローンを組みます。

残価とは下取り価格、すなわち返済期間終了時に想定される車の評価額を意味します。例えば、ローンの返済期間が5年の場合、5年後の下取り価格を契約時点で設定するということです。残価は保証されるため、将来の中古相場によって金額が変動する心配はありません。

残価設定型クレジットのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

  • 月々のローン負担を抑えることができる
  • 完済後の選択肢が多い

デメリット

  • 車の所有権を持てない
  • 走行距離・傷・事故によっては追加費用が発生する

例えば、本体価格が300万円、下取り価格が100万円であれば、借入金額は200万円です。ローン完済後は、車を返却して新車に乗り換える、車を返却して乗り換えはしない、残額を支払って購入するなどの選択肢があります。また、下取り価格が決まっているとはいえ、必ずしも手放す必要はありません。

残価設定型クレジットを利用して手に入れた車は、所有権が信販会社に属することが多いです。また、あらかじめ定めていた上限走行距離を超えたり、事故を起こしたりすると、追加費用が発生する恐れがあります。なお、事故で廃車になった場合、ローンの一括返済に加えて、下取り価格分の返済も必要となります。

残価設定ローンについて詳しく知りたい人は、こちらの記事「残価設定ローンとは?メリット・デメリットやマイカーローンとの違いをシミュレーション比較」も参考にしてください。

お金をかけずに新車に乗るならカーリース

車の購入時に頭金を支払うためには、まとまった資金を用意しなければなりません。頭金がなくてもローンの契約は可能ですが、年収によって組めるローンの金額が変わり、月々の返済額が大きくなる点に注意が必要です。

お金に余裕がないものの新車に乗りたいという人は、カーリースを利用するのも1つの方法です。

カーリースとは一定期間、希望の車に定額で乗れるサービスです。車の所有者はリース会社であり、契約者は車を借りている状態となりますが、契約期間中は自分の車のように利用できます。

カーリースのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

  • 車に関する月々の出費が固定かつ手頃な金額
  • 豊富な選択肢から好きな車を選べる

デメリット

  • 車の所有権を持てない
  • 中途解約不可のケースが多い

カーリースでは、車検費用や税金などを別途支払う必要がありません。頭金のような初期費用も不要で、月々の支払いも手頃です。乗りたい車は自由に選ぶことができますが、リース会社によって取り扱う車の種類が異なるため、事前に調べておくと安心です。

カーリースはあくまで借りている状態であり、車の所有権を持つのは契約者ではありません。そのため、上限走行距離を超えられない、車を自由にカスタマイズできないなどの制限があります。

また、カーリースは中途解約できないケースが多いです。どうしても中途解約をする場合、高額な違約金を支払う必要があります

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車のサブスクとカーリースのどちらを選ぶ?それぞれのサービスの違いを比較

まとめ

車のローンを組むときは、頭金を支払うことで借入金額が小さくなります。月々の返済額を抑えることができ、審査に通りやすくなるといったメリットもあります。

一方、まとまった資金が必要で、支払いの手間が大きくなるといったデメリットには注意が必要です。

頭金の支払い方法や支払時期は、ディーラーによって異なるため事前に確認しましょう。大きな資金は用意できない場合には、残価設定型クレジットやカーリースという方法もあるので、比較検討してみてください。

自分の車を持ちたいけれど、一括での支払いができない場合、マイカーローンを利用することがあります。この記事ではマイカーローンのおすすめランキングTOP12トを紹介します。

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