伊坂幸太郎さん、英ダガー賞逃す 「AX アックス」スリラー部門

伊坂幸太郎さん(撮影/高橋宗正)

 英国推理作家協会は4日夜(日本時間5日朝)、優れた推理小説に贈る同協会賞(ダガー賞)のうち、スリラー小説を対象としたイアン・フレミング・スチール・ダガー部門に米作家ジョーダン・ハーパーさんの「EVERYBODY KNOWS」(邦訳未刊行)を選んだ。最終候補に残っていた伊坂幸太郎さん(53)の「AX アックス」の英訳版「ザ・マンティス」は受賞を逃した。

 同部門はスパイ小説や冒険小説などのスリラー作品が対象。「007」シリーズの原作者として知られる英作家イアン・フレミングにちなみ、2002年に創設された。

 受賞作は、米ロサンゼルスを舞台にした、危機管理広報を仕事にする女性の物語。

 「AX アックス」は、文具メーカーの営業マンで恐妻家でありながら腕利きの殺し屋でもある男の物語。日本では17年に刊行され、昨年、英国で英訳版が出版された。

 伊坂さんは22年にも、「マリアビートル」の英訳版「ブレット・トレイン」で、同賞の翻訳部門の最終候補に残った。(共同)

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