英ポンド、総選挙後も堅調に推移 労働党が予想通り圧勝見通し

[ロンドン 4日 ロイター] - 4日に投開票された英総選挙(下院、定数650)の出口調査で野党労働党の圧勝が予想されたことを受け、ポンドは堅調に推移している。

出口調査によると、野党労働党の獲得議席数は410となる見込みで、スターマー党首が次期首相に就任する見通しとなった。一方、保守党は党結成以来最少の131議席にとどまるとみられる。

ポンドは出口調査が発表される前とほぼ変わらず、直近は1ポンド=1.2758ドルで推移。対ユーロでも84.76ペンスとほぼ横ばいで推移している。

みずほのシニアエコノミスト、コリン・アッシャー氏は「労働党のパフォーマンスは最新の世論調査に比べるとやや低いが、それでも圧倒的多数を占めている」と指摘。ポンドがほとんど動いていないのは驚きではないと語った。

また、IGのチーフ市場アナリスト、クリス・ボーシャン氏は「この勝利によってもたらされる安定は、投資家が当面のところ英国の政治リスクを懸念リストから取り除けることを意味する」と述べた。

ポンドは5月にスナク首相が総選挙実施を発表して以降、じりじりと上昇。対ドルでは年初来1.2%高と、今年最もパフォーマンスが好調な主要通貨となっている。

貿易加重ベースでは欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票が行われた2016年の水準を回復。保守党政権下の政治的・経済的混乱を受けた為替変動の激しい局面が終わりに近づいているというトレーダーや投資家の見方を反映している。

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのポートフォリオマネジャー、ローラ・フォール氏は「退屈が良いことで、政治が人々の生活にとって重要度が低い時代に戻ることを期待している」とした上で、信頼感が「より緩やかに回復していく」と予想した。

総選挙の結果が判明する中、FTSE100種指数先物は5日のアジア市場で0.3%高で取引を開始した。

英国株は今年、過去最高値を更新。緩やかな成長ながらも比較的安定した経済とインフレ減速に支えられている。

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