川崎市 みどり活用でまち育てる 地域連携 遊園で実証実験 川崎市多摩区・川崎市麻生区

色鮮やかな花壇と花がらを入れるポット(左)=7月1日撮影

全国都市緑化かわさきフェアを契機に、地域と連携してみどりを活用したまちの魅力向上を図ろうと、川崎市は今年度から「(仮称)カワサキグリーンラボ」の実証実験を実施している。その取り組みの一つとして、4月に向ヶ丘遊園駅南口に花壇がオープン。行政だけでなく、企業や団体など、多様な主体と協力しながら運営していく方針だ。市の担当者は「できる時にできる範囲で気軽に関わってもらいたい」と思いを話す。

同駅南口を出てすぐのロータリーを囲む花壇にはマリーゴールドなど多くの草花が植栽され、通行人を楽しませている。

市が土の入れ替えなどの整備を行った後、4月27日にボランティア21人が花苗を植え付けた。その後は、月2回のペースで花がら摘みなど花壇の手入れに関わる体験会を実施している。参加無料で事前申し込みも必要なく、軍手などの必要な道具も貸し出しており、手ぶらで参加できる。市の担当者は「5分だけ参加するなど、気軽に楽しんでもらえたら」と話す。

常時、花がらを入れるポットも設置され、体験会の日以外でも、通行人が自由に手入れができるようになっている。取り組みに賛同し協賛する企業・団体も現在6者になった。協賛する登戸南町会の嘉弓三男会長は「(同フェアのコア会場の1つである)生田緑地に向かう人も多い場所。花壇のおかげで駅周辺が明るくなり、美化意識も高まっている」と話す。体験会の日程や協賛方法の詳細などは市サイトで発信している。

市は1年間の実証実験を経て、2025年度以降同ラボを本格運用していく方針。住宅地である向ヶ丘遊園駅周辺と比べ、企業が集積している臨海部殿町地区(川崎区)でも花壇を今年10月頃開設予定。加えて、市役所通りでは草花を立体的に飾る「ハンギングバスケット」を秋頃導入予定だ。各エリアに合った方法を模索していく。

花壇を手入れする体験会参加者=市提供

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