久しぶりに家族との時間を過ごした後のひととき 吉沢亮主演 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」ポスター

2024年9月13日より劇場公開される、呉美保監督の9年ぶりとなる長編映画最新作「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の、本ポスタービジュアルと本予告が公開された。

本ポスタービジュアルは、主人公の五十嵐大(吉沢亮)が、故郷の宮城県に帰郷し、久しぶりに家族との時間を過ごした後、東京へ戻る前のひとときを切り取ったもの。本ポスターの撮影は、ティザーポスター同様に、原作本の表紙を撮影した斎藤陽道氏が担当。「伝えられない想いが、あふれだす」というコピーとともに、数年ぶりに再会した母(忍足亜希子)との時間に少しぎこちなさを感じる息子と、息子と一緒にいることをうれしく思う母の表情が、2人それぞれの思いを物語っている。

本予告では、久しぶりに帰郷した息子・大(吉沢亮)を駅まで見送る母・明子(忍足亜希子)の姿などが収められている。「親父とばあちゃんによろしく」「わかった」と、きこえる息子ときこえない母が交わす手話での会話。だが、子供のころの大にとっては「母のことが、恥ずかしかった」という。母の話し方を友達から指摘され、「授業参観に来てほしくなかった」と手話で伝える小学生の大の姿、高校受験期にいら立ちのままに「こんな家に生まれてきたくなかった」と思いを母にぶつけてしまう様子、がく然とする母の表情などが点描のように映し出されていく。

そして、「自分が何をしたいのか考える」と東京に行くことを家族に告げ、故郷から離れた大。新たな出会いや違う環境の中で、あらためて“きこえる世界”と“きこえない世界”に生きる自分を見つめなおす。少し年齢を重ねた母の後ろ姿、そして笑顔。母と息子の切なくも心に響く家族の物語であることが描き出されている。

「ぼくが生きてる、ふたつの世界」は、五十嵐大の実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を原作とした作品。宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に、男の子が生まれる。両親、祖父母は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、父・陽介と母・明子の耳がきこえないことだった。幼い大にとって、時には母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし成長とともに、周囲から特別な目で見られていることに戸惑い、いら立ち、母の明るさすら疎ましく思いはじめ、冷たい態度をとることが増えていく。20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大。数年後の帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への思いもかけない気持ちがあふれ出す。

コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大の原作を、「きみはいい子」から9年ぶりの長編作品となる呉美保監督が映画化。話題作から作家性の強い監督作まで幅広い作品に出演を続ける吉沢亮が主演する。脚本は、「正欲」「アナログ」「とんび」などを手掛けた港岳彦が担当する。

【作品情報】
ぼくが生きてる、ふたつの世界
2024年9月20日(金) 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会

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