20歳ギャルがK-1ガールズの副主将、少林寺拳法全国準V“ガチ勢”の素顔「格闘技熱はだれにも負けない」

幼少期から強い格闘技熱を持つ波北果穂 【写真:山口比佐夫】

真っ直ぐな目で語った「格闘技熱は誰にも負けない」

格闘技イベント「K-1 WORLD MAX 2024」(7月7日、東京・国立代々木競技場第二体育館)に先立ち、大会でラウンドガールを務める「K-1 ガールズ 2024」のメンバー9人が先日発表された。ENCOUNTでは今年で3年目の波北果穂に取材をし、メンバー最年少の20歳ながら副キャプテンに就任した彼女の素顔に迫った。(取材・文=浜村祐仁)

京都府出身の波北は「絶対に他のガールズより格闘技に詳しい自信がある」と語るほどの熱い格闘技愛が持ち味だ。原点は子供時代に家族と過ごした年末年始の記憶にある。

「年末年始は格闘技が好きなおじいちゃんの家に集まるのが恒例でした。テレビも占領して絶対に格闘技を見ていました。ラウンドガールが画面に映るとお父さんに“お前も将来これになれよ”と冗談で言われたりもしていました」

2022年に18歳で「K-1 ガールズ」のメンバーとしてデビューし、今季からは副キャプテンに就任した。リングの外でも姉ギャル系雑誌「nuts」で専属モデルを務めるなど着実に実績を評価されてきているが、本人は今のこの状況が想像できなかったという。

「もともと芸能活動をする予定も全然なかったんです。上京する予定もなかったです。オーディションもほんまに奇跡的に受かったと思ってます。だからご縁やなって感じてます」

手探りで始まった芸能界のキャリア。常に本気の姿勢で仕事に向き合い続ける彼女の支えになっているのはファンの存在だ。

「SNSでコメントをもらったり、道端で声をかけられたりするとほんまに嬉しいです。見てくれてるんやなって感じてます。地元でも芸能をやっている同年代は私くらいしかいなくて、周りは“ほんまに憧れる、頑張ってほしい”と言って応援してくれています」

自身の性格は、失敗を考えずに突っ込んでいくタイプと表現する。強気な性格で活動へのプライドも芽生えてきた。

「(人気投票のある)nutsでの仕事は、雑誌を買ってくれたファンがいるのにもかかわらずランクインできないと本当に申し訳ない気持ちになる。だからプレッシャーはすごくある。でも絶対に負けたくない。(一旗揚げるまでは)地元に帰れないです。自分のプライドがあるんです」

少林寺拳法で全国準優勝するなど武道家としての一面も【写真:山口比佐夫】

「全国準優勝」武道家の一面も兼ね備える

“勝利を導くはんなりギャル”をキャッチコピーに活動をしているが、派手なイメージの裏には日々の努力がある。

「オーディションの前には、毎晩京都の川沿いを5キロ走って体重を6キロ落としました。なんであんなに頑張れたのか分からない。けど、頑張れたんです」

そんな努力家の彼女をあらわすエピソードは他にもある。実は武道の一種である少林寺拳法の黒帯保有者なのだ。かつては全国大会で準優勝を果たすなど、凄腕の実力を持つ。

「幼稚園の友達のお父さんに誘われて8年間続けました。最初は近所だからやっていたのですが道場のレベルも高くて、小学校の高学年くらいからは、頑張ろうって気持ちで週3回やっていました。おかんも、“黒帯取るまでは絶対やめんな”って厳しくて。でも、今になって続けてて良かったって思います。姿勢とかもいまの仕事にいきてます。K-1のときも少林寺の手の置き方をしていて、“あ、やってもうてる”って気がつくときもありますね」

そう関西弁をまじえながら振り返る波北。現在はギャルモデルとしての仕事や格闘技に関連した芸能活動が多いが、今後は恋愛リアリティーショーやバラエティー、女優業など幅広いジャンルの仕事にもチャレンジしていきたいと将来像を描いている。とは言いつつも、インタビュー中にはやはりK-1への熱い思いが何度もこみあげてきた。

「魔娑斗さんやピーター・アーツさんが活躍されているころのK-1をずっと家族と見ていたんです。昔の盛り上がっていた頃のK-1がまた帰ってくるんじゃないかって、すごく期待しています」

K-1人気の復活と新生K-1のスタートへ、今年もスポットライトを浴びる舞台に立つ季節が近づいてきた。浜村祐仁

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