3年生に一番の”恩返し”を 2年生主体のチームで16年ぶりの甲子園へ 三重・菰野高校

夏の高校野球三重大会が5日に開会式を迎えます。三重大会の注目校、大会第2シードの菰野高校を紹介します。

2008年現在、プロ野球阪神タイガースで活躍する西勇輝投手を擁する菰野高校が優勝を果たしました。

あれから15年、優勝へは遠ざかっていましたが、今年5月に行われた春の東海大会では準優勝。

2年生の森柊真選手は「東海地区で準優勝し、みんなも自信がついたと思う。余裕を持ちつつ油断はしないように、自分たちの野球をしていきたいです」と大会への意気込みを語りました。

戸田直光監督は「東海大会、生徒たちはよくやったなという気持ちでした。夏に関しては90回大会以来、甲子園に行っていないので、全員で力を合わせて優勝を狙いたいと思います」と話しています。

夏に向けてチームは復活へと近づいています。

安定した投手力に加え、今年は長打を連発する攻撃的な打撃もあります。その要となるのが、数々のプロ野球選手がつけたエースナンバー1を背負った、2年生の栄田人逢選手です。コントロール抜群のピッチングが持ち味です。

栄田選手は「エースナンバーをつけさせてもらっているので、もう少し引き締まったピッチングするべきだと思っています。1人で投げ切って、3年生を勝たせたいという気持ちが強いです」と心の内を語ります。

攻撃では、去年秋の県大会から4番として活躍を続ける森柊真選手。チャンスに強く、東海大会準決勝ではタイムリーヒットを放ちました。

森選手は「どんなピッチャーでも自分なら打てるという自信を持ち、長打や打率が残せるようなバッターが理想です」と意欲を見せます。

春の東海大会では、先発メンバーが全員2年生という2年生主体のチームの菰野高校。

そのような中でも、3年生で主将の山口拓真選手は「3年生もここまで頑張ってきました。悔しい気持ちもありながらもサポートしています。3年生の応援のおかげで勝った試合というのもあったと思います。3年生としても最後まで応援したいし、サポートしたいと思っています」と、複雑な心境と陰で支える役割の大切さを語ります。

3年生は、チームのために2年生を支えてきました。ノック練習のバッター役を買って出たり、グラウンドを率先して整えるなど、日々の練習も試合の時も全力でサポートしてきました。

サポートに徹する3年生の姿が、2年生の心を動かします。

栄田選手が「3年生が支えてくれている。甲子園に出ることが一番の”恩返し”だと思っています。すごく感謝しています」と話すと、同じく2年生の森選手も「負けたら3年生は引退。自分たちが引退ぐらいの覚悟を持って3年生のためにも戦いたいです」と先輩への感謝の気持ちを口にします。

戸田監督は「3年生の思いをしっかり背負ってゲームをすることが、2年生の役目です」と責任の大きさも話します。

3年生に16年ぶりの景色を見せたい。復活を目指す菰野高校がワンチームになって走り出します。

三重テレビでは、高校野球三重大会の模様を1回戦から決勝まで生配信でお伝えします。

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