島田チェアマンが語る未来への挑戦…Bリーグが掲げる2050ビジョン『感動立国』と中期経営計画

7月4日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第192回が配信。6月末に発表された2024年から2028年までのBリーグの中期経営計画と、2050年に向けたビジョン『感動立国』を志す意図について語った。

中期経営計画では、数値目標として2028年までにBリーグ全体で、総入場者数700万人、事業規模800億円の達成に加え、NBAに5人の選手を輩出することを掲げた。これらの目標について島田チェアマンは「できますよ。もう目指さないといけないんですよ。大事なことは漠然とした数値目標なんかでは達成しなくて、数字は作るものなので」と決意を滲ませた。直近の実績として2023-24シーズンの入場者数はB1・B2リーグ合算で452万人。また、2年後に組織上の合併を控えるB3リーグの60万人を加えると約510万人となり、2022年の将来構想で掲げていた目標500万人を当初の想定から5年前倒しで達成しているという。2028年には多くのアリーナが誕生し、リノベーションを終え、できている席を概算していくと新たな目標は実現可能な数値であると、島田チェアマンは自信を見せる。

また、事業規模の拡大については、ビジネスモデルの転換が鍵となるという。2026年のリーグ構造改革「B.革新」後は、これまでの単年度競技成績による昇降格を廃止。新リーグ参入はそれぞれ定められた条件をクリアできるか否かが問われることとなり、リーグの在り方が大きく変わる。島田チェアマンは「競技を大事にすることは何も変わらないけど、昇降格を廃止してまでね、ビジネスに投資をしていこうっていう風に言ってるわけですよ。投資をするってことは、リターンを見込んでいかなきゃいけない」と説明した。

NBAへの選手輩出については、スカウティング強化が重要な施策となると島田チェアマンは考える。具体的には、NBAスカウトがBリーグの試合を常時視聴できる環境を整備することを計画しているという。それにより選手のモチベーション向上はもちろんのこと、海外からより高いレベルの選手がBリーグに来るようになり、それが日本人選手の成長にもつながりBリーグ全体も強化される好循環が生み出されることにも期待している。

「(環境が整えば)パスウェイとして日本人だろうが、外国籍選手だろうが(Bリーグが)NBAに続いていくという状況を作れる。若い世代の育成だけじゃなく、仕組みのところにもリーチしようと、今年のNBAサマーリーグにもうち(Bリーグ)の国際チームは行って、その辺の状況を作るべく動きだしています」

この中期経営計画の先には、2050年に向けたさらに大きなビジョン『感動立国』が掲げられており、バスケットボールを通じて社会全体にポジティブな影響を与えていくという決意が込められている。今の子供たちが大人になる2050年頃を想定すると、日本社会が直面している課題が顕著となる可能性が高く、若い世代は将来に対する不安や閉塞感に対する強い危機感がある。島田チェアマンは、その状況を変えていくためにBリーグが果たせる役割を考え、『感動立国』に込めた想いは単なる理想論ではなく具体的な行動につながるものだと強調する。

「我々ができることはバスケだから、バスケを通してそこにどうリーチするかということで、アリーナの感動だったり、アリーナを通した街づくりだったり、選手であったり、そういったエンターテインメントを通して、子供たちがワクワクしたり、熱狂によって日常生活に潤いが出ていく。そのパワーやエネルギーの伝播によって大きな影響力を与えることで、経済効果としても精神的なポジティブさにおいても貢献していく。一言で言えば“ワクワク”ですよね」

『感動立国』とは、単に競技の発展や事業の拡大を目指すだけでなく、日本の未来を担う若い世代に希望を与え、社会全体をより活力あるものにしていくという壮大な挑戦でもある。島田チェアマンは締めくくりに「ちょっとビジョナリーなところはありますけど、でもそのぐらいのパッションがないと熟さないんじゃないのって思ってます」と、強い想いを口にした。

今回のエピソードでは、寺嶋良(広島ドラゴンフライズ)とイベント時の対談で的確な受け答えに感銘を受けた様子や、ファン待望のバスケットLIVEでのB3リーグ配信についても語った。

【番組を聴く】示した目標…Bリーグ中期経営計画の詳細をチェアマンが語る『島田のマイク』第192回

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