バサジィ大分 自分史上最強を目指す仁部屋和弘 【大分県】

36歳のベテランが新たな勲章を手にした。バサジィ大分の仁部屋和弘が今季のリーグ戦、第3節のしながわシティ戦でFリーグ通算400試合出場を達成した。仁部屋は「特別な感情はない。1試合1試合の積み重ねた結果」と淡々と話すのは、結果に一喜一憂せずに目の前の試合、毎日の練習に全力を尽くす信条の表れでもある。ただ、「自分自身がというより支えてくれたチームメートや家族、応援してくれる方々に感謝の思いを形にして恩返しできることはうれしい」と喜んだ。

昨季は自身4度目となるリーグベストファイブに返り咲き、充実のシーズンを過ごした。今季は開幕前に行われたワールドカップアジア予選を兼ねた「AFCフットサルアジアカップタイ2024」の日本代表に追加招集された。ワールドカップ出場権を逃したが、これまでにない体の異変を感じたという。「この大会への思いは強く、コンディションを仕上げた。残念な結果になったが20代の頃と同じような体のキレ、感覚を感じた。この年齢でまだフィジカルを向上できる可能性を確信できた」

帰国後からシーズン開幕までに一度コンディションは落ちたが、徐々に回復している。「昨年は攻守両方のゴール前の仕事に徹すればよかった。今年はゲームメーク、前線からの守備のスイッチャーなど役割が増えたが、やりがいがある。コンディションは万全ではないものの、昨シーズンよりプレーのクオリティーは高くなっているのを感じる」と手応えを感じている。しかし、今季は昨季以上に対戦相手から対策を練られ、マークが厳しい。チームが思うような結果を残せていないのは、仁部屋が機能してないことが一因だ。

400試合出場を達成した仁部屋和弘

「(マークが厳しいのは)これまでのシーズンでもあった。それを超えるパフォーマンスを見せて、チームを勝利に導く。それが自分の役割であり、それができなければピッチに立つ意味はない」。現状打破に向けて個人のプレークオリティーを上げるとともに、周囲の選手とコミュニケーションを図り、問題解決に取り組んでいる。狩野新監督は「今、何を求められ、何をしなければいけないかを分かっている。仁部屋を特別視することはないけど、それができているから今も現役としてプレーできているのだと思う」と信頼する。

仁部屋は「今季は昨季以上のプレーができる感覚がある。これから巻き返すので楽しみにしてほしい」と語った。誰よりもフットサルを追求し、練習してきた自負があるからこそ言い切れる。「自分史上最強になる」。フットサルを始めた頃から変わらぬ思いで練習し、試合に臨む。

「昨季以上のパフォーマンスを見せる」と語った

(柚野真也)

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