「早く一人前の船頭に」 球磨川くだり入社式 横浜市出身、20歳の坂東さん抱負

松岡隼人人吉市長(左)から辞令を受け取る坂東祥龍さん=1日、人吉市

 人吉球磨の観光の柱である球磨川下りの船頭になろうと、横浜市出身の坂東祥龍さん(20)が第三セクター「球磨川くだり」(社長・松岡隼人人吉市長)に入社。1日の入社式で、「一日でも早く仕事を覚え、戦力になりたい」と抱負を語った。

 坂東さんは、市が船頭の養成を目的に募集した地域おこし協力隊に応募し、隊員として採用された。市が業務を委託する同社が雇用する。

 入社式は、下新町のHASSENBAであり、同社の幹部や市職員など約15人が参加。松岡市長が「船頭をやりたいと言ってもらいうれしい。一朝一夕に技術は身に付かないが、経験豊富な船頭に学び、五感を使って習得してほしい」と激励した。

入社式で抱負を語る坂東祥龍さん=1日、人吉市

 幼い頃から船に興味があった坂東さんは3月、人吉城跡付近を遊覧する「梅花の渡し」に乗船。心地よい風を感じたことが入社のきっかけの一つという。「魅力を伝え、笑顔になってもらえるような接客をしたい。早く一人前になれるように努力する」と、決意表明した。送迎車の運転や予約管理、問い合わせへの対応といった仕事を覚え、秋に船頭の練習を始める。

 球磨川下りの船頭は現在、坂東さんを除き6人。慢性的な船頭不足は解消されておらず、市は引き続き、船頭を目指す地域おこし協力隊員を募っている。(東寛明)

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