おふろの「ピンク汚れ」の原因は細菌?対策は黒カビと同じ「早めの除菌・乾燥」…身につけておきたい掃除方法のポイント

毎日時間と手間がかかるおふろ掃除。浴室は一年を通じて高温多湿となりがちだが、梅雨のこの時期は特にカビが気になるのではないだろうか。

湯まわり設備メーカーのノーリツは、2023年4月におふろをキレイにする大切さを啓発する活動として「日本のおふろをもっとキレイにプロジェクト」をアース製薬、ジョンソン、東邦と発足している。

その一貫として今年4月に実施した「おふろ掃除全国統一模試」の結果を発表。おふろ掃除への意識や知識に関する設問から、“カビ”や“ピンク汚れ”に悩む、「おふろ掃除の実態」が明らかになったのだ。

この模試には全国10代以上の男女9292人が回答。内容は、おふろ掃除の実態を問う意識系の設問と、おふろ掃除の知識を問う知識系の設問が並んだ。

意識系の設問では、「浴室で最も気になる汚れ」についての質問があった。すると、「壁のカビ」と回答した人が最も多く33%、次いで「排水口のピンク汚れ」が23%と、上位2項目で全体の過半数を占めた。

その一方で、知識系の設問で「ピンク汚れの原因・特徴」を問われると、正答率は24%にとどまったという。ピンク汚れに悩む人が多いが、正しい知識は知られていないということが浮き彫りになったのだ。

では、そもそもこのピンク汚れとは一体何なのだろうか? 汚れの落とし方や梅雨の時期のお掃除方法も含めて、ノーリツの担当者に聞いた。

早い段階で汚れの発生を抑制しよう

――ピンク汚れの正体は何?

ピンク汚れは、カビではなく「細菌」が原因になります。黒カビよりも繁殖能力が高いという特徴があるため、おふろで目にしたことがある方も多いかと思います。

ピンク汚れは黒カビと同じく、湿度と温度が高く栄養豊富な場所を好みます。そのため、ピンク汚れが付く箇所には黒カビも生えやすいといえます。

――ピンク汚れの落とし方を教えて。

ピンク汚れは比較的簡単に除去が可能で、柔らかいスポンジなどでのこすり洗いによってすぐに落とすことができます。

しかし、カビに比べると生育が早く発生頻度が高いため、早い段階での「除菌」と「乾燥」によって抑制することが大切です。

――ピンク汚れの設問のほかに、正答率が低かった問題はある?

黒カビの原因・特徴を選択する問題も約半数の方が不正解でした。

――黒カビを抑制するにはどうしたら良い?

おふろには、黒カビが生えるための条件(温度が20~30度・湿度が60%を超える・カビの栄養源となる湯垢や石鹸カス・皮脂がある)が全て揃っており、排水口→床→壁の順に生えやすくなります。

そのため黒カビもピンク汚れと同様に早い段階での「除菌」と「乾燥」が重要となります。

浴室は一年中カビが生えやすい

――梅雨の時期、カビを抑制するためにできることは?

梅雨時期は家全体でカビが生えやすくなる一方で、カビが好む生育条件がそろっている浴室は一年中カビが生えやすい場所であるといえます。

そのためカビを抑制するには、毎日の入浴後におふろを掃除することをおすすめします。また、おふろのカビは水分を好むため、24時間換気が効果的なことはもちろん、浴室乾燥機の活用は非常に有効とされています。

――では、おふろの掃除の方法を教えて。

毎日のおふろ掃除では、まず約45度のシャワーをかけて、壁や床に残った垢や石鹸カスを洗い流します。

次に、T字のワイパーで床や壁の水気を取り、洗剤と柔らかいスポンジで浴槽を洗う。最後の仕上げに換気・乾燥をおすすめします。

黒カビが生えてしまった場合、ブラシでこするのは厳禁。こすることで周囲に胞子が飛び散り、ブラシでついた細やかな傷にカビが侵入しやすくなりさらにお手入れが大変になります。

洗剤を黒カビに散布し、しばらく放置してから洗い流すのが基本です。

身体的負担が大きいおふろ掃除

――「おふろ掃除全国統一模試」はどんな経緯で実施したの?

「日本のおふろをもっとキレイにプロジェクト」における第一弾の活動として、2023年8月にX(旧Twitter)上で「#おふろ掃除がんばった選手権」を実施したところ、1万件以上のおふろ掃除に対する苦労の声が寄せられました。

全てのポストに目を通して感じたのは、おふろ掃除はカビに対する不満が圧倒的に多いこと、掃除時の体勢が辛く空調もきかないため身体的負担が大きく不満がたまりやすいということでした。

この気づきをきっかけに、おふろ掃除にまつわる知識を身につけていただくことで、日々のおふろ掃除に役立ててほしい、そしておふろをキレイにする大切さを感じてほしいという経緯から、第二弾の活動として「おふろ掃除全国統一模試」を実施しました。

今回もわずか1週間で9292名と多くの方にご参加頂いたことから、おふろ掃除に対する興味関心は非常に高いと改めて感じました。

――今回の結果をどのように受け止めている?

意識系の設問の回答内容では、おふろ掃除に「年間89.4時間」かけていること、「75%の方がこすり洗い」をしているということが分かりました。

世の中には時短家電や便利なアイテムがあふれているにも関わらず、おふろ掃除に限っては未だに「人の仕事」であるというのが実態です。

ノーリツは創業の原点として「おふろは人を幸せにする」という想いを掲げています。

おふろは本来「疲れを癒しリラックスできる場所」であるはずですが、模試の結果からはおふろ掃除への負担が根強いことがわかり、皆さんに本来の役割を充分に体感して頂けていないのでは、という考えに至っています。

おふろ掃除の負担を低減するノーリツ商品の提案によっておふろ掃除は機械に任せるという「おふろ掃除の新しい習慣」を世の中に浸透できればと考えています。

ちなみにノーリツは、オゾン水除菌により浴室のカビやピンク汚れの発生を抑制する機能がある、ラク家事浴室暖房換気乾燥機「シャーン」を9月に発売予定。

浴室全体の掃除の頻度を低減できるとのことなので、人の力だけでは難しい場合はこのような製品を活用するのも良いかもしれない。

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