高齢化で深刻化“買い物困難者”対策にも…セブン-イレブン「宅配ピザ」8月開始 全国200店舗から最短20分で日用品なども配達

セブン-イレブンが2024年8月から、焼きたてピザの配送サービスを開始する。冷凍食品や日用品も一緒に配送することで差別化を図り、最短20分で商品を届ける。専門家は、品数の豊富さが競合する宅配ピザに対する強みだと指摘する。

最短20分で焼きたてピザ

コンビニ最大手のセブン-イレブンが、焼き立てピザの配送サービスに本格参入し、2024年8月から順次、全国約200店舗でサービスを開始する。

宅配ピザ大手では取り扱いがない冷凍食品の他、日用品も一緒に配送することで差別化を図り、新規顧客の取り込みを狙う。

自宅から一番近い店舗から配送することで、最短20分で届けられるという。

セブン-イレブン・ジャパン ラストワンマイル推進部 由井大輔マネジャー:
2万点を超える在庫拠点(店舗)と考えた時に、これまで焼きたて熱々のピザを配達できなかったようなエリアでも、我々であれば提供できると。

人手不足が深刻化するなか、売り場から商品を集めるピッキング作業で商品をスキャンすると同時に、会計作業も完了させることで効率化を図った。

また、配送は配送業者にも委託することで、従業員の負担を軽減していくとしている。

高齢化で深刻化する“買い物困難者”対策にも

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
コンビニから届く「焼きたてピザ」、いかがですか。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
競合する大手宅配ピザに対する強みは、やはり、一緒に運んでくれる品数の豊富さ。ドリンクはもちろん、サラダやサンドイッチなどの中食に加えて、日用品なども一緒に届けてくれるのは嬉しい。

「ピザ」が食べたいから注文するだけではなく、何かを届けてもらうついでに、「ピザ」を頼む方も多いように思う。

堤キャスター:
「欲しいもの」を、約20分で届けてくれるのは便利ですよね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
スマホで注文した商品を約20分から30分で届けてくれるクイックコマース。これは50周年を迎えた日本のコンビニの、新しい成長ドライバーとして期待されている。

そもそもコンビニは、データで精査した日本人の嗜好を最大限に反映した3000品の売れ筋商品を扱っている。

世界最高峰の小売業とされている日本のコンビニが展開するクイックコマースは、高齢化とともに深刻さを増す、買い物困難者の対策にもなる。

堤キャスター:
特に地方では、歩いて行ける範囲に、お店がなくて困っている方、多いようですね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
小売業界では、高齢者が歩いて買い物に出かけられるのは700メートル以内とされている。歩いて買い物にいく大変さを思うと、スマホで注文するクイックコマースに次第に慣れていく方も多いのではないか。

クイックコマースによる差別化商品の開発合戦に

堤キャスター:
クイックコマースが広がっていくためには、どんなことがポイントになるのでしょうか。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
今回の「焼きたてピザ」もそうだが、コンビニ各社はクイックコマースによる差別化商品の開発合戦に突入しつつある。

例えば、ローソンは7月、店頭では買えないウーバーイーツ専用の「からあげクン」の新フレーバーを先行発売する。

コンビニではセルフレジ化など、人手を省く試みが進んでいる。この浮いた人手や時間を宅配に関わる作業や店内調理に振り分け、クイックコマースで運ばれる「美味しいもの」が進化していく未来が予想される。

今後は薬の宅配など、顧客向けの新しい様々なサービスが広がって行くことを期待したい。

堤キャスター:
コンビニの魅力はやはり、手軽さにあると思います。それをデリバリーでも、コンビニ各社が競うことで、私たち消費者の便利さが増していくことを期待したいです。
(「Live News α」7月4日放送分より)

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