やってはいけない! 登山でのナメすぎ「夏の対策」 初心者が体験「3つの危険な失敗」とは?

大自然の中を歩く登山は楽しいが…(撮影:深瀬あみ)

登山は大自然の中で活動するため、ちょっとした気のゆるみが重大な事故に繋がることもある。専用のウェアやギアを揃え、知識を身につけ、入念に準備することが必要だ。しかし、筆者が登山を始めたころには、深く考えずについやってしまった失敗がいくつかあった。

今回は、その中から3つの失敗談を紹介しよう。これからの登山を楽しむ際の参考にしていただけると幸いだ。

■普段使いの靴下を重ね履きして歩いた

ある時、自宅で登山の準備をしていたが、なぜか登山用の靴下が見つからなかった。季節は春。予定していた山は標高1,000mほどでコースタイムは片道2時間以下だ。それほどハードではないと予想し、登山用靴下より薄い普段使いの靴下を2枚重ねて履くことにした。

2枚履きとはいえ登山用靴下に比べるとクッション性はなく、歩いていても心もとない。さらに通気性もなく、汗をかくと足が蒸れてしまった。靴の中が不快だと何となく登山にも集中できないし、もっと長い山行なら靴ずれを起こしていたかもしれない。

やはり登山用の靴下をきちんと履いて登ろうと痛感した一日となった。

■日焼け止めと虫除けの塗る順番が逆だった

暑い時期の登山で気になるのが、紫外線と人を刺す虫。防ぐためには日焼け止めと虫除けの両方を塗る必要がある。私は深く考えず、最初に虫除けスプレーをかけ、その後に日焼け止めを塗ってしまったことが何度かあった。しかし先に虫除けを使うと、その後に塗る日焼け止めの影響で、虫除けの効果が発揮されにくくなる。

正しくは、まず日焼け止めをしっかりと塗り、その後に虫除けスプレーをかけることだ。この順番を守ることで、虫除け成分がしっかり揮発され、十分な効果を引き出せる。またどちらも汗で流れることがある。日焼け止めは塗り直しをして、その際は虫除けスプレーも再度使おう。

■綿100%のTシャツを着て汗でべたついた

登山を予定していた日の前日、社会人スポーツサークルで登山用の長そでTシャツを着てしまった。その日の夜、クローゼットにあったのは綿100%のTシャツのみ。洗濯するか迷ったが「綿のTシャツでも問題ないだろう」と安易に考え、着用して登山に挑んだ。

当日の朝は涼しく、歩き始めは快適に感じた。しかし日中は気温が上がり、歩きつづけるとリュックと接している背中は、特に汗をかいてしまうことに。お昼休憩中もほとんど乾かず、背中がべたついて歩いている最中は不快だった。

やはり登山では汗を素早く吸収し、速乾性・通気性のある専用のウェアが必要だと感じた。綿素材の服は肌ざわりがいい、肌に優しいなどメリットも多いが、登山には不向きである。快適な登山を楽しむためには、素材を重視したウェア選びをするのがおすすめだ。

■些細なことと思わず、注意して安全な登山を

紹介した筆者の失敗は取るに足らないものかもしれない。しかし、甘くみると汗が乾かず体が異常に冷えてしまったり、虫に刺されることもある。「大した問題はないだろう」と思っても、登山においては、準備不足や安易な判断が思わぬトラブルを招くことになりかねない。準備万端で臨むことで、登山の楽しさを最大限に味わえるだろう。

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