破竹の7連勝。横浜FCはなぜ勝ち続けられるのか。井上潮音は慢心せず「たとえ先制されても続けていくことが大事」

“予言”と言ったら、大袈裟か。それでも、あの時、井上潮音が口にした言葉どおりの結果となっているのは間違いない。

「自分たちはここ2試合、勝っていない状況ですけど、次に勝ったらチームの調子は上向く、そういう相手。自分たちの力を考えたら、勝てる相手というか、絶対に勝てない相手ではないですし、絶対に勝って、チームの調子を上向かせたい。そういうきっかけになる、良い試合にできればいいかなと思います」

5月18日に行なわれたJ2第16節で、直近2試合は1分1敗の横浜FCは、当時7連勝で首位を走る清水とホームで対戦。昇格レースを占ううえでもシーズン前半戦の重要な一戦で、横浜FCはガブリエウと伊藤翔のゴールで、2-0の勝利を収めた。

首位チームの連勝を止めた横浜FCは以後、破竹の7連勝。甲府に2-1、愛媛に2-1、徳島に1-0と白星を重ね、シーズン後半戦に突入すると、藤枝に3-1、熊本に5-0、いわきに4-0と盤石の強さを見せている。

22節を終え、勝点46で2位。首位長崎を1ポイント差で猛追する。

まさに井上がイメージしたように、難敵を破ってから横浜FCは上昇気流を描いている。では、当の本人は現在のチーム状況をどう見ているのか。

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「1点入ったり、勝ち続けていると、自然とみんな身体も動いていますし、特に1-0になった時は、この1点を守り切るという気持ちで、みんながすごくハードワークできているのが、この7連勝できている要因だと思います」

結果を出し続けることで、自信がみなぎり、ピッチ上での好パフォーマンスにつながる。井上は「それを本当に、0-0の時も、たとえ先制されたとしても続けてやっていくことが、この先、大事なんじゃないかなと思っています」と続ける。

次節は7月6日、ホームで秋田を迎え撃つ。相手は10位に甘んじるが、長崎に2-2(13節)、清水に3-1(21節)と上位チームから勝点を奪えるだけの力がある。

これまでと変わらずにハードワークを貫き、連勝を伸ばせるか。中盤で攻守のリンクマンとして確かな存在感を示す井上の活躍にも注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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