ガンバレ☆プロレスのスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王者・石井慧介がプロレスTODAY編集部に来社。
7月15日(月)、東京・高島平区民館にて開催する『ディザスター・アーティスト2024』にて、初対戦の香港国際警察マンを迎え撃つ石井。
独立後のメインで勝村を破り団体最高峰王座を奪取した石井に防衛戦への意気込み、王者になって気持ちの変化や、独立後のガンプロ、そして動画編集担当としての心境など多岐にわたる質問を行った。
『ディザスター・アーティスト2024』
日時:2024年7月15日(月)開場17:30開始18:00
会場:東京・高島平区民館
①防衛戦への意気込み
▼スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権
<王者>石井慧介 対 香港国際警察マン<挑戦者>
――7月15日に東京・高島平区民館で今回は王座防衛戦が行われます。今大会では香港国際警察マンとのスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権が決定しておりますので、防衛戦の意気込みをお願いします。
石井 まず香港国際警察マンと全くもって触れたことがないんですけど、正直言うと、試合をちゃんと身たこともなかったんですね。でも、すごく支持があるという噂は聞いていたので。この間、初めてバトルロイヤルの時に香港国際警察マンの試合を見たんですけど。最初、メンバーを見た時に、僕はメンバーがそろった段階で、おそらく藤田ミノルさん、あるいはバリヤン・アッキ、あるいは大家さんに期待していたので。このへんが来るかなと思ってたんですけど、最後、大家健さんとがばいじいちゃんと香港国際警察マンになった時に、「これは香港あるんじゃないか」と思いながら見ていて。そうしたら、想像と違った、香港国際警察マンが最後、すごいたたみかけをして、大家さんから3カウント取ったので。僕の想像していた選手とは違うかもしれないです。
――本当に正体不明ながらも、動きは何かあの人に似ている、みたいな?
石井 そうなんですよね。似た方との思い出をいくつか思い出しまして。僕は練習生になりたての頃に、一緒に合同練習をしたこともありますし。あと、中国人の方なんです。「本当に中国人の方なんだ」と思っていた感想があって。あと、似た方とドロップキック(プロレス&スポーツBar)で一緒に入っていたこともありまして。一緒に入った時に、よくテキーラを飲みながらくだらない話をしていたことを思い出しました。
――青春時代を一緒に。
石井 青春時代をテキーラを何杯も飲みながら、本当にくだらない話をしていました。
②王者になってからの気持ちの変化は?
――似たような方との思い出もたくさんあると思いますが、防衛戦という部分では、ガンバレ☆プロレスが独立一発目の試合で勝村選手からこのベルトを奪い取りガンプロのエースとして、今、重責を担っていると思いますがベルトの重みはいかがですか?
石井 そうですね。やはり歴代王者がすばらしい戦いを見せてきたので、そこに負けない気持ちというか、自分が巻いて、さらにベルトの価値が上がったと思ってもらえるようになったら、すごく気持ちいいので。あとは僕がベルトの種類は違うにしても、ファンの頃から見てきたチャンピオン、輝いてきたチャンピオンたちを見てきたので。ほんのちょっとでも近付けるように意識して頑張っています。
――石井選手が戴冠したことによってガンバレ☆プロレスの新章が始まったというイメージを皆さんお持ちだと思います。そして、ベルトを持っているがゆえに、狙われる立場という、追う方から追われる方になってみての感想はいかがでしょうか。
石井 ちょっと鈍感なのか、まだ追われる立場というものに気付いてなかったです。でも、5月に岩崎相手に防衛した後に、何人もリング上に上がってきたので。チャンピオンとして興味を持ってもらえているんだなという、そこは嬉しかったですね。
――今、自分が先頭に立って団体のトップなんだ、という部分はいかがですか?
石井 まず思わなきゃいけないなとまず思っていまして。メインが毎回コケちゃったりすると、団体としても勢いが落ちちゃうと思うので。またガンバレ☆プロレスを見に行きたいと思わせる試合をしなきゃ、ということは強く思っています。皆、選手は頑張ってくれるので、すごい頑張ってきてくれて、最後、メインで僕が不甲斐ないことを見せちゃったら、興行がコケちゃうと思うんで。皆からメインまでの試合をつなげてもらったのを最後、きっちりと締めて帰らないといけないという気持ちは前より強くなっています。
――そのへんのプレッシャーとは、ご自身としてはどうやって対峙しているんですか?
石井 若い頃から自分なりにプレッシャーがかかることがすごくたくさんあったので。その経験が生きてるかなと思って。実は楽しんでやれています。
――それはすばらしいですね。
石井 特にイヤだなと思うこといっぱい経験してきてよかったなと今になって思います。
――小さな成功体験や逆境をはねのけて進んできたことが自信につながっている感じですかね?
石井 そうですね。簡単に言うと、数々の憂鬱な経験をしてきてよかったなと、今に生きてるなと。
――逆にチャンピオンになったとしても、そこまで苦しむのではなく、逆に楽しみながら今ガンバレ☆プロレスを引っ張っていっているイメージですね。
石井 そうですね。今のところ気持ちはいい具合に自分でも乗れてて、引っ張っていかなきゃ、という気持ちも強くなりましたし。何より新体制になって、また輝ける場が自分で作った部分でもあるんでしょうけど、そういう環境が来たなと、頑張ろうという気持ちです。
③初対戦の相手との試合
――なるほど、すばらしいですね。今回は香港警察国際マンとの防衛戦は、言ってみれば初対決になりますので、試合内容といったものと、相手の出方を伺いながら対峙しないといけないと思います。こういう手を合わせたことのない対戦相手に対する試合の組み立て方は、ご自身としての心構えはどういう感じなんでしょう?
石井 これはですね、僕、初対決はもしかしたら得意なんですけど。これはルーツがありまして。僕が高校時代からプライベートからプロレスごっこ団体を立ち上げて、プロレスごっこをやってたんです。18歳の時に友達が「同じメンバーで戦っているのはマンネリだ」と言い出して。
――玄人発言ですね。
石井 急に当時、掲示板を使いだして、「プロレスごっこをやりませんか」みたいな。18歳の僕は初対面の知らないギャル男みたいな人や、知らないおじさんや、知らない多国籍の方と初対面でいきなり試合をするという経験を数々してきたので。そんな経験をしてきたので。初対決慣れというのは、もしかしたらその頃から、どんな人か知らない人と戦うという経験はしてきたので。18歳ながら。
――ハートがまず強いですね。
石井 勢いがあっただけかもしれないです、あの時。今思うと怖いですけど。
――異種格闘技戦みたいなものじゃないですか。
石井 中にプロレス嫌いと言っている、アジアの国の方たちもいて。その人たちとの試合は痺れましたね。「プロレス嫌い」と言うので、「K-1ルールでやりましょう」と言って、そういう経験もしてましたね。
――その道を極めてきたというのはすごいですね。素人の時に…
石井 初対面慣れという、初対決慣れはしたかもしれないですね。
――すごいスリリングじゃないですか。
石井 スリリングでした。怖いこともありました。
――ゾクゾクする気持ちが気持ちよかった?
石井 いや、でも結構、恐怖はありましたよ。
――ありますよね。
石井 その頃も団体のエースで負けられないという。まず、どういう形であれ最低でも引き分けに持ち込まなきゃ。
――それはすごいですね。マットはどうしてたんですか?
石井 エアマットというキャンプ用ので「衝撃を与えないでください」と書いてあるんですけど、それを使ってやっていました。だから、よく割れていました。
――そういった経験が今回にもある意味、役立つということですね。
石井 そうですね。いろいろな経験が今、もしかしたら集大成として40歳を前に、いろいろな経験が生きる時期に来ているのかなと。
――30代最後のこの年に王者になりながら、重責を担ってきたという。
石井 そうですね。チャンピオンになったタイミングでいい具合に過去の経験が生きる環境で。
――今まさに石井選手の花が開いている状態なんですね。
石井 もしかしたら集大成なのかもしれないです。
――プロレスラーが一番輝くのは、35歳〜45歳だと言われているんですよね。
石井 よく言いますよね。
――なので、今まさに絶頂の中にいらっしゃるんじゃないかなと。
石井 もしかしたらそうなのかもしれないです。
――この後まだまだ6年くらいキープできるんじゃないかなと思いますよね。
石井 もちろん、頑張れるように。頑張ります。
④独立したガンプロについて
――そして独立したガンプロのメインイベントを託されて、チャンピオンになったのもありますが、独立したガンプロについてはいかがですか?
石井 まず三島さんがいなかったらどうなっていたかと思っているので、まず社長に感謝という気持ちと。あと、大家さん、勝村さん、この3人の力もすごく大きかったので。特に三島さんのおかげで続いたので。この団体をどんどん盛り上げていかないとと思っています。
――最初、独立という話を聞いた時に、どんなふうに感じました?
石井 30代前半だったら、動揺したと思うんですけど。ある程度、いろいろやってきたというのはあったので。不思議とプラスの気持ちの方が強かったです。もう迷いなく大家さんについていきます、という気持ちがありました。
――大家さんも強い言葉で皆さんに説明されたということでした。それを聞いても「よし、行こう!」と?
石井 はい。一緒によくしていこうという気持ちに迷いはなかったです。もしかしたら30代、もっと若かったら違ったかもしれないです。
――大きな決断をされてチャンピオンを担っているので、そういった部分では報われている気持ちもあるんでしょうか。
石井 そうですね。いきなりメインに三島社長も指名してくれたので、前の体制でやってきたことも間違いではなかったんだなと思い、それは嬉しかったので。あとはその力を発揮するだけだなと思って、メインに挑みました。
――実際に王者になってみて、いかがでしたか?
石井 勝って、今成さんと渡瀬さんにかつがれて、お客さんからの石井コール、久々に最高な気持ちでしたね。終わった後、お酒がすごく進んじゃいました。嬉しかったです。
――もともとお酒は飲まれる?
石井 大好きですね。試合の後は必ず飲むというスタイルになります。この頃、お酒がさらに量が増えました。
――試合後すぐは本当は危ないかもしれないですね。
石井 当時から見に来てくれた友達たちと、試合後は飲むというのは癖になっています。
――これからの40代を迎えるにあたっての気持ちや心構えはいかがですか。
石井 まずコンディションが落ちちゃったら、もうダメだと思うので。とにかくコンディションづくり。若い時と比べて、この練習きついな、と思うことも頑張ってやって。それがベルト持ってるからできている部分もあるかもしれないですね。あとは団体を引っ張っていこうという気持ち。今の新体制がそういう気持ちにさせてくれている気がします。
――気持ちの部分と身体の部分では、非常にいい状態をキープできていますか?
石井 そうですね。確かに身体が悪い部分もありますし、動きも技のキレも若い頃と比べたら物足りない部分もあるんですけど。そこは経験とキャリアでこういうことかと理解できています。ファンの頃、見ていた30代〜40代の脂の乗ってくるレスラーたちというのは、こういうことなんだというのは、今、すごく身にしみて感動しています。
――なるほど。プロレスは楽しいですか?
石井 そうですね。今、一番、楽しいですね。やっぱり楽しいです。
――チャンピオンになりながら楽しいと言えるのは、すごいなと思いますね。プレッシャーに押し潰されるような感じになる方も多いじゃないですか。
石井 それは数々の試練を与えてくれたDDTプロレスのおかげもあるのかな。全日本プロレスにも上がらせてもらったから、数々のプレッシャーを経験したおかげかなと思います。
――いろいろなものを乗り越えてくると、自信につながってきますよね。
石井 そうです、はい。
⑤動画編集担当として伝えていきたいことは?
――ここから話は変わりますが、ガンプロの動画編集担当として、まさか石井さんがやっていると知らない方も多かったと思います。
石井 本当は正体不明でやりたかったんです。石井がやってるんだと言うと、いざ自分の動画やる時にめっちゃナルシストに見えるじゃないですか。
――自分のやつはやりづらいですよね。
石井 やりづらいです。
――素晴らしい編集クオリティをお持ちだから。
石井 全然、そんなんじゃなくてですね。まず、僕、パソコンが苦手なんですよ。携帯アプリで、ガラケーの時代も長かったんですけど、iPhoneを手に入れてから。
――やりやすくなりました?
石井 動画編集のきっかけは、昔から編集グセはあって。例えば、ビデオデッキを2台つなげて、投げっぱなしジャーマンシリーズを作ったり。そういうのは好きだった。それをiPhoneを手に入れて、よく2016年あたりから動画をいっぱい作って。友達のグループラインに送ったりして。これも集大成です。その経験が新体制になって、新体制だとあまり怒られないから。動画を作ることも集大成として、今来ています。
――今まで全部やってきたことの一つ一つが、全部がガンプロ独立に結びついて、今花が開いた感じなんですね。
石井 そうですね。発揮できる時がいよいよ来たのかなと思っています。
――実際に動画編集をされてみてどうですか?
石井 自分で言うのも何ですけど、この選手だったらこの部分がいい、というのを見つける力がもしかしたら多少強いかなという気がして。動画編集でいろいろな選手にスポットを当てていければなと。自分は当てづらいので。
――各選手の一番いいところを見るには、見ておかないとダメですよね。
石井 あと、記憶力が生きていると思います。最近作ったのは、渡瀬は受けっぷりがいいと思ったので、『渡瀬瑞基受けっぷり集』を作ったんです。これを受けた時にこれがよかったなとインプットしてあるので、サラッとできましたね。
――記憶力との戦いでもある、ということですか。
石井 はい、もちろんです。
――これは大変ですね。
石井 そうですね。
――全選手網羅していきながら、いろいろと新シーンで覚えておかないとダメということですね。
石井 それか興味のあるシーンを覚えているか。
――ある意味、ガンプロ一のガンプロマニアみたいな。
石井 マニアになれるように。
――ありがとうございます。そういう部分では皆さんのいいところを基本的には伝えるという役割も。
石井 はい、できたらいいなと。
――大変な重責を担っていると思いました。
⑥大会に向けてメッセージ
――最後は大会に向けてのメッセージをお願いします。
石井 まず全カードを見て、直感なんですけど、間違いなくこの大会、盛り上がるなと確信していますので。第1試合から第5試合まですごく盛り上がって、興行としてのいいバトンタッチがメインに来ると思っていますので。僕はきっちり香港国際警察マンを倒して、まだまだチャンピオンとして輝き続けたいと思うので。あと、超満員札止めを目指したいと思っていますので、ぜひ皆さん見に来てください。よろしくお願いします。
――ありがとうございました。
インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
『ディザスター・アーティスト2024』
日時:2024年7月15日(月)開場17:30開始18:00
会場:東京・高島平区民館席種
<対戦カード>
⑥スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級選手権
<王者>石井慧介 対 香港国際警察マン<挑戦者>
⑤入江茂弘&渡瀬瑞基&レッカ 対 大家健&岩崎孝樹&前口太尊
④春日萌花復帰戦
勝村周一朗&YuuRI 対 伊東優作&春日萌花
③火祭り公式リーグ戦
今成夢人 対 永尾楓樹
②HARUKAZE&まなせゆうな&バニー及川 対 SAKI&櫻井裕子&真白優希
①和田拓也&山本裕次郎 対 中村宗達&川上翔大