ビットコインが4カ月ぶり安値、米大統領選巡る不透明感や供給懸念で

[シンガポール 5日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインが5日の取引で、4カ月ぶりの安値に下落した。週間では過去1年間で最悪のパフォーマンスとなる見通し。バイデン米大統領の選挙戦継続を巡る不透明感や、ビットコインの供給が拡大する可能性への懸念が重しとなっている。

ビットコインは5%安の5万5366ドルで、2月末以来の安値。週間では10%安。イーサは8%安の2891ドルと1カ月半ぶりの安値を付けた。

ビットコインは年初に米国でETF(上場投資信託)の取引が開始されたことを受けて好調なスタートを切り、3月中旬には7万3803.25ドルの最高値を記録した。しかし、その後21%以上下落している。

市場参加者によると、投資家は米大統領選候補者の第1回討論会でバイデン氏が振るわなかったことを受け、同氏が選挙戦から撤退し、暗号資産業界を支持しない人物が候補になる可能性を懸念している。

またアナリストは2014年に破綻した仮想通貨交換業マウントゴックスが債権者に弁済しているとの報道に言及しており、債権者がビットコインを売却した場合、さらなる下落圧力に押される可能性があるとの懸念もある。

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