高級サクランボ・佐藤錦が“しわしわ”…被害額2000万円超で農家悲鳴「気温が上がるたびにもう勘弁してくれと」

静岡市では40℃に迫るなど、全国的に今年一番となる厳しい暑さの1日となった7月4日。シーズンを迎えた「サクランボ」“異常事態”が起こっていました。

高級サクランボが“しわしわ”

「めざまし8」が向かったのは、山形県東根市にある農園。暑さで大きな影響を受けているといいます。

取材スタッフ:
地面にサクランボがたくさん落ちていますね…、かなりの数落ちています。

地面に落ちていたのは、出荷できない大量のサクランボ。

「松栗」植松真二代表:
サクランボ自体が、電子レンジで温められたような状態になっちゃって、どんどんどんどん、こうやわらかくなって、それを通り越して、今水分が抜けてドライフルーツみたいになってきたっていう状態ですね。
このままにしておくと軸に病気がつくので。来年にどうしても影響してしまうので、落とす作業を…しなきゃいけないっていうのが、地獄ですね。

連日の暑さで、サクランボの農業用ハウス内は、40℃を超える日もあります。その暑さで水分が抜けるなど、実の傷みが激しく売り物にならないといいます。

この農園で育てているサクランボの多くは、高級ブランドの一つ「佐藤錦」、1kg1万2000円の値がつくものもある高級品。

しかし、落ちているものを見ると、表面はしわしわ、通常のものと比べて、つやも張りもありません。

さらに、別の被害も…。

「松栗」植松真二代表:
“双子果”って言われる、本当は一つのやつが、細胞分裂して二つになっちゃってる。

去年の暑さの影響で、実がくっついて出荷できない「双子果」が多いというのです。

「松栗」植松真二代表:
製品率で言ったら去年の1/3以下にはなっていますね。被害額で言ったら2000万円は余裕で超えていますね。いや、しんどいですね。正直、しゃれにはなってないです。
天気予報見るたびに、こんなに30℃超えの気温が続いたら、やばいな、やばいなと思いながらも。アホな話ですけど、地球に文句を言うというか、気温が上がるたびにもう勘弁してくれと…。

事務所には、出荷する箱に貼るはずだった宅配伝票が大量に余っていました。

植松さんのもとには、サクランボ栽培から撤退するという農家から「畑を頼む」という依頼があるといいます。

「松栗」植松真二代表:
「来年から畑頼むな」っていう…。近所のさくらんぼ農家さんからは、何人かから頼まれている。

サクランボだけでなく、8月中旬頃に出荷を迎える予定の桃も暑さで生育が早まり、今後の生育に不安が…。

「松栗」植松真二代表:
うちでサクランボをやめる選択肢は1ミリもなくて、だからこそやらなきゃいけないという、変な使命感というか。あとはやっぱり、毎年楽しみにしているよっていうお客さまがいる以上は、僕は、そのお客さまのために作り続けていこうと思っています。
(「めざまし8」7月5日放送より)

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