スイス物価当局、クレディ・スイス買収受けUBSの監視を開始

[チューリヒ 4日 ロイター] - スイスの物価監視当局は同国の金融大手UBSが同業クレディ・スイスを買収したことを受けてUBSの監視を開始した。巨大化したUBSが市場での価格決定力を強め、ローン金利の上昇につながる事態が懸念されているためだ。

当局は声明で、買収の影響について協議するため、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)、連邦競争委員会(ComCo)、スイス国立銀行(SNB、中央銀行)との間で会合を開いたと明らかにした。

会合では、異なる当局間で今後必要になる協力態勢を構築する土台が形成されたという。

ComCoは以前、UBSのクレディ・スイス買収はさらに調査すべきと勧告していた。

物価監視当局は「ComCoの分析により、統合後のUBSは一部の市場で支配力を有することが示された」と指摘。「これは、物価監視当局がこうした市場における不当な価格を監視する責任を直接負うことを意味する」と付け加えた。

物価監督当局は特に、住宅ローン金利を監視すると表明。ただ「統合後のUBSは社会的責任を認識しており、それにふさわしく行動すると想定している」とした。

その上で、当局による介入が必要にならないことを希望するが、必要になれば躊躇なく行動すると強調した。

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