大企業・小規模企業により異なる結果に
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2024年の春闘で大企業での賃上げが相次いだ結果、賃金と物価の好循環が強まり、景気回復が期待されています。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、2024年4月の基本給は前年同月比2.3%増とおよそ30年ぶりの高い伸び率となりました。
しかし、物価の上昇に賃上げが追いついておらず、実質賃金は25ヶ月連続で減少しているのが現状です。
個人消費への下押し圧力が強まっている現代において、今年の夏季ボーナスが消費を上向かせるかどうかに注目が集まっています。
本記事では、2024年夏季賞与におけるアンケート調査の結果を紹介していきます。
大企業や中小企業の夏のボーナス事情以外に、国家公務員のボーナス事情についても紹介しているので参考にしてください。
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2024年の夏季賞与、約4割の企業が「前年より増加」
株式会社帝国データバンクは、2024年の夏季賞与に関するアンケート調査を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- アンケート期間:2024年6月7日~11日
- 有効回答企業数:1021社(インターネット調査)
- 調査機関:株式会社帝国データバンク
- リリース公開日:2024年6月15日
上記調査の結果、2024年夏季賞与において、約4割の企業が1人あたりの平均支給額が前年より「増加」していることがわかりました。
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39.5%の企業が、2024年の夏季賞与の支給状況について「賞与はあり、増加する」と回答しており前年よりも増加する企業が2.1%も増える結果に。
「賞与はあり、変わらない」は34.2%、「賞与はあるが、減少する」は11.3%となっており、合計で85.0%の企業が「賞与あり」と回答し、前年よりも賞与がある企業が1.9ポイント上昇しました。
「賞与はあり、増加する」とした企業からは、「賃上げムードもあるが、業績が好調なのが一番の要因」という声が挙げられ、業績の回復を見越して賞与アップをする企業が多数みられました。
一方で、業績は改善していないものの、物価高騰に対する従業員の経済的負担の軽減や従業員のモチベーション維持を理由に賞与を増やす企業も一定数見られる結果となりました。
約5割の「大企業」が夏季賞与を増加。一方で「小規模企業」は全体を10ポイント下回る結果に
株式会社帝国データバンクの同調査によると、規模別の「賞与はあり、増加する」企業割合では、「大企業」は前年より4.9ポイント増加の47.2%となっており、全体を7.7ポイント上回る結果となりました。
「中小企業」は1.7ポイント増加で38.2%、「小規模企業」は1.9ポイント増加で29.2%と、企業別においても前年と比較して夏季賞与が増加していることがわかります。
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とはいえ、「小規模企業」においては、夏季賞与が増加すると回答した企業割合が全体より約10ポイント低くなっており、企業規模間に格差があることがみてとれます。
上記から、企業規模間で賞与格差はあるものの、全体的にボーナス支給額が増加している企業が多いとうかがえます。
では、公務員の2024年夏季のボーナス支給額はいくらくらいなのでしょうか。
次章にて、国家公務員の夏季賞与について見ていきましょう。
国家公務員の2024年夏のボーナス支給額は?
次に、内閣官房内閣人事局の「令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」から国家公務員のボーナスを確認していきます。
上記資料によると、2024年夏季に支給された、管理職を除く国家公務員の平均ボーナス支給額はおよそ「65万9400円」となりました。
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昨年の夏のボーナス支給額と比較すると、2万2000円の増額、3.5%のボーナスアップとなっています。
民間企業における給与・ボーナス増加の影響を受け、国家公務員の給与も同様に引き上げられる結果に。
上記の国家公務員のボーナスは、一般職国家公務員全体の平均額であるため、職種や勤務年数によってはさらに高額になる可能性もあるでしょう。
2024年は定額減税の恩恵でボーナス手取り額が増える人も
本記事では、2024年夏季賞与におけるアンケート調査の結果を紹介していきました。
調査結果では、85.0%の企業が2024年夏季ボーナスや一時金などを含め、何らかの賞与を支給する予定であることが明らかになりました。
さらに約4割の企業が賞与を増加するとしており、前年よりも平均で2.0%も支給額が増加することが見込まれています。
多くの企業で夏季ボーナスの支給額増加が期待されますが、今年はさらに「定額減税」も実施されているため、人によってはボーナス手取り額が増える可能性もあります。
定額減税とは、会社員や公務員などが、給与や賞与から天引きされている「所得税」と「住民税」が、特別に控除される制度です。
所得税の場合、2024年6月以降の給与・賞与に対して、順次控除がされる仕組みとなっており、給与から定額減税の限度額が一気に引ききれなかった場合は、次回給与や賞与から順次控除がされ続けます。
6月の給与で限度額まで控除されなかった場合は、夏季賞与からも定額減税が行われるため、手取り額が増加します。
夏期賞与は給与よりも高額な場合が多いため、控除効果が大きくなることが期待できるでしょう。
ご自身の定額減税限度額を確認し、夏季賞与からも減税がされているか、確認することをおすすめします。
参考資料
- 内閣官房内閣人事局「令和6年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 株式会社帝国データバンク「夏のボーナス、前年より「増加」が約4割 支給額は平均2.0%増、規模間格差が顕著」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年4月分結果速報」
- 国税庁「令和6年分所得税の定額減税のしかた」