武蔵溝ノ口駅 「Jupiter」が発車メロディに 平原綾香さん、式典で熱唱 川崎市高津区

(写真上)小野木浩貴駅長(左)らと発車メロディを披露した平原さん

川崎市市制100年を迎えた7月1日、JR武蔵溝ノ口駅の発車メロディが洗足学園音楽大学出身の歌手・平原綾香さんのデビュー曲「Jupiter(ジュピター)」になり、記念式典が開催された。平原さんのミニライブも行われ、会場の同駅南北自由通路は集まった聴衆でいっぱいになり、圧巻の歌声で人々を魅了した。

発車メロディの変更は、川崎市市制100周年と高津区にある洗足学園創立100周年の節目が重なり実現したもの。地域活性化等を目的に川崎市がJR東日本横浜支社に打診したのが始まりで、承諾を得たことから区内唯一の音楽大学で日頃交流もある洗足学園音楽大学に相談。曲は知名度があり地域に馴染みあるものというJR側の意向を受け、市と同学園で話し合い、平原さんが在学中にリリースした「Jupiter」が候補になり、依頼に至った。

高津区とゆかり深く

この曲はホルスト作曲の「木星」に日本語の歌詞を付けてカバーしたもの。平原さんは大学1年時に原曲を授業で聴き、感動で涙が止まらず「デビュー曲として歌いたい」とカバーし、メジャーデビューに至ったという。ミュージック・ビデオも同大ホールで撮影された。

式典では、通学で駅を利用していた頃を振り返り「学生時代の思い出が詰まった懐かしいホーム」と語った平原さん。メロディの採用にあたり「ホルストの素晴らしいメロディをアレンジし、自分で作曲したメロディ部分も発車メロディとして流れることがとても嬉しく、夢のよう」と笑顔を見せた。

発車メロディは、平原さんが電車の発車時に流れる音楽に適するように「Jupiter」を編曲し、自らサクソフォンでメロディを演奏したもの。1日初電から変更されており、1番線から3番線の各線で異なるアレンジのメロディが電車の発車時に流れている。

編曲にあたり全国の発車メロディを聴いて研究したといい、それぞれのアレンジについても自身の言葉で解説。1番線の楽曲は電車を軽やかに導くイメージでソプラノサックスで演奏し、2番線は「木星」のメロディ部分をアルトサックスで吹いた。

3番線は「Jupiter」大サビ部分で平原さん作曲のメロディとなっている。「自分を鼓舞するような気持ちで、ホームにいる方々を応援するような気持ちで吹いた」と思いを込めた。

歌声響き、聴衆魅了

高橋友弘区長は「区にゆかり深い平原さんに発車メロディを作って頂いたことは区・市民にとって最高のプレゼント」と感謝。この他、同大学生の唱歌等も行われた。

ミニライブでは「Jupiter」のほか、歌手になるきっかけになったというミュージカル「天使にラブソングを2」より「Joyful,joyful」を学生のバックコーラスと共に披露。歌声が響き渡るなか、会場一体となり手拍子が起こるなど、大きな盛り上がりをみせた。

会場で平原さんの歌を聞いた、高津区在住の佐野雄城さん(小5)は電車が好きで式典のことを知って訪れたといい、「歌声が綺麗で来て良かった。発車メロディも良い曲なので嬉しい」と喜んでいた。

式典終了後には平原さんが一日駅長となり、就任式等も行われた。

「Jupiter」を歌う平原さん
学生たちとの共演も
多くの聴衆でいっぱいとなった駅構内

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