浴室で観葉植物を育てるのはNG? 飾り方のポイントや適した品種をプロに聞いた

浴室に飾られた観葉植物(写真はイメージ)【写真:写真AC】

インテリアとして人気の観葉植物。お部屋以外に、みずみずしいグリーンが浴室にあれば、よりリラックスしたバスタイムになりそうですよね。実際に、観葉植物を浴室で育てるのは可能なのでしょうか。フラワー&グリーンコーディネーターののなかりえこさんに、お話を伺いました。

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耐陰性がある植物でも終日暗いと枯れてしまう

浴室に観葉植物を飾ることについて、結論からいうと、おすすめめはできません。窓があったり、照明が常についていたりする環境であれば、もしかしたら枯らさずに保てる可能性はありますが、窓がない場合は観葉植物を飾っても、徐々に弱ってしまい難しいでしょう。

浴室は、使用直後に湿度が急激に高まります。そうした環境に鉢植えを置いておくと、土がなかなか乾かなくなり、カビや病気が発生する場合もあります。また、換気扇を稼働している状態では、部屋よりも空気の流れがあり、意外と意外と乾燥しやすい特徴も。

さらに、シャワーの湯やシャンプー、石けんなどが植物にかかることもあります。うっかり土をこぼしてしまうと衛生的にも良くありません。

どうしても浴室に飾りたい場合のポイント

それでも、やはり浴室に飾りたい場合は、サボテンなど乾燥を好むものは避けて、耐陰性と湿度に強いものを選びましょう。ただし、耐陰性があっても一日中暗い場所に置いていると、植物は枯れてしまいます。

そこで浴室には飾りっぱなしにはしないで、定期的に明るい場所に移動するのがおすすめです。たとえば、1つの観葉植物ならば1週間のうち2~3日は浴室から明るい場所に移動させるのも手ですが、複数のお気に入りの観葉植物をそれぞれ3日ずつくらい浴室に飾ることでローテーションさせるのも良いでしょう。

湯などがかからない高い場所に飾り、土の代わりに水苔やハイドロボールに植えると衛生的です。植物の状態をよく観察して、弱っていないかを早めにキャッチしてあげましょう。

浴室にローテーションで飾るのにおすすめの植物

複数をローテーションで浴室に飾るのであれば、次の植物はいかがでしょうか。それぞれ耐陰性がある植物ではあるものの、やはり浴室に長期間置いておくと弱ってきますので、前述の飾る際のポイントを押さえて、浴室をさわやかな空間にしましょう。

○ポトス

つる性のポトス(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ポトスは、つる性の植物。下に向かって伸びていると葉が小さくなり、上に向かうと大きくなる特徴があるので、飾る場所によって楽しめます。明るい場所を好みますが、耐陰性もあります。丈夫な植物なので初心者も育てやすいでしょう。

○カラテア

葉が個性的なカラテア(写真はイメージ)【写真:写真AC】

カラテアは、熱帯アメリカに自生している植物。種類が豊富で、個性的な葉の形や模様が特徴的です。インテリア性が高く、エキゾチックな雰囲気から人気があります。耐陰性が強く、日陰でも育ちやすいです。耐暑性はありますが、耐寒性は低いです。

○オリヅルラン

細い葉が広がるオリヅルラン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

オリヅルランは、放射線状に細い葉が広がる植物です。茎を伸ばし、その先に子株を作ります。その姿が折り鶴に見えるため名がつけられました。耐陰性もあり、増やしやすい特徴があり、おしゃれなインテリアグリーンに。

○アスプレニウム

放射線状に葉を広げるアスプレニウム(写真はイメージ)【写真:写真AC】

アスプレニウムは主に熱帯から亜熱帯地域に多く分布しているシダ植物です。日本にも古くから自生する品種があり、オオタニワタリという名でもよく知られています。放射線状に葉を広げ、インテリアに最適です。日陰に強い特徴があります。

○プテリス

涼しげな葉が印象的なプテリス(写真はイメージ)【写真:写真AC】

プテリスは、シダ植物の一種。日本では「井の元草(イノモトソウ)」とも呼ばれ、井戸のそばのようなジメジメした場所に多く自生していたことに由来しています。種類により葉の形はさまざまですが、涼しげな葉が特徴的。日陰でも育てやすいです。

のなか りえこ
フラワー&グリーンコーディネーター。インテリア商材を扱う仕事から花の世界へ。現在はフリーで活動中。花と植物に関する提案・制作(装花・装飾・植栽など)を中心に行う。

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