佐藤大平は“時の人”とのラウンドで感服「弱音を吐いていられない」

上位で予選ラウンドを終えた佐藤大平(撮影:上山敬太)

<日本プロゴルフ選手権 2日目◇5日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>

26位タイからでた佐藤大平が7バーディ・1ボギー「65」をマーク。トータル8アンダーで上位争いに名乗りを挙げた。

「チャンスについたのが入ってくれた」と好プレーの要因としてパッティングを挙げた。佐藤は2015年に受けたサードQTで今大会のコースを回っているが、結果は56位でファイナルQTに進めなかった。苦い思い出の残るコースは「嫌いです(笑)」と練習日に話していたが、「あの時よりは成長したのかな」。9年前のリベンジへ。絶好のポジションで決勝に進出する。

2日目は「全米シニアオープン」で単独2位に入って、大きな話題を呼んだ藤田寛之と同組。「時の人と回れるなんて思わなかった」と思わぬサプライズとなった。藤田の優勝争いは逐一チェックしていたという。「携帯をずっと見ていたんで。朝起きたら『あかんかったか』って」と結果速報とにらめっこしていた。

そんな“時の人”とのラウンドに「超人ですよね」とただただ感服するばかり。開幕前日の夜10時に現地入り。この酷暑のなか、第2ラウンドで「70」をマークした55歳・藤田の雄姿を見て「暑いな、とか弱音を吐いていられない」と表情をひきしめて、背筋を伸ばした。

今季は開幕から2戦連続で予選を首位で通過した。『いよいよ初優勝か』と期待がかかったが、結果は3位、18位でV逸。最終日まで維持する持久力は無かった。そこについては「あまり気にしていない」とクールに受け答える。また、「トップ10を目指して毎試合やろうと思っている」。初優勝への重圧は感じていない。

「勝ちたいと思って勝てるもんじゃないだろうなと思っている」と気負いはない。「その時が来ればいいな」。石の上にも三年。きたる初優勝を静かに待つ。(文・齊藤啓介)

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