日本で急成長のモトローラ、「神ジューデン」ミドルハイ edge 50 発表。ソフトバンク版は1年後乗換えで実質12円 (石野純也)

日本で急成長のモトローラ、「神ジューデン」ミドルハイ edge 50 発表。ソフトバンク版は1年後乗換えで実質12円 (石野純也)

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モトローラ・モビリティ・ジャパンは、ミッドハイスマホの「motorola edge 50 pro」と「motorola edge 50s pro」の2機種を7月4日に発表しました。

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2機種と言っても、後者はソフトバンク版という位置づけで、ハードウェアはメモリ容量以外ほぼ同じ。オープンマーケット版は12GBなのに対し、ソフトバンク版は8GBに抑えられています。また、ソフトバンク版にのみ、バニラクリームのカラーをラインナップします。

トップの写真はソフトバンクの「edge 50s pro」。端末名の「s」はソフトバンクのSを意味します。

(▲画像:右のバニラクリームは、ソフトバンク限定。3色とも、背面にはビーガンレザーを採用している)

同社は、最上位モデルに折りたたみスマホのrazrをラインナップしています。

採用するチップセットやカメラを見るに、処理能力や撮影性能などは他社の最上位モデルと競えるほどというわけではなく、どちらかと言えば折りたたみの特別感をモトローラの“象徴”にしていく戦略を取っています。スペックだけで端末のラインを分けていない点では、差別化が図られていると言えるでしょう。

これに対し、一般的な板状のスマホに関しては、edgeシリーズやgシリーズを展開します。gシリーズは、ど真ん中のミドルレンジモデルが中心。対するedgeシリーズは、ちょうどミッドレンジとハイエンドの中間程度の性能を有する端末が多くなっています。ハイエンドモデルが飛び抜けた機能を持つようになった中、ちょうどいい高機能な端末というのがedgeシリーズの位置づけです。

(▲画像:モトローラは、プレミアムモデルをフォルダブルスマホのrazrに特化する戦略を取り、他メーカーとの差別化を図っている。edgeは、その下の高機能スマホという位置づけだ)

実際、edge 50 proも、チップセットにクアルコムの「Snapdragon 7 Gen 3」を採用しており、ほとんどの用途には十分なパフォーマンスを発揮します。

カメラも、メインのセンサーは5000万画素で、ピクセルビニングに対応。1300万画素の超広角カメラや、1000万画素の3倍望遠カメラも備えています。1インチセンサーのような突出した性能ではないものの、普段使いには十分と言えるでしょう。

(▲画像:トリプルカメラ搭載で3倍望遠にも対応しており、カメラのスペックはミッドレンジモデルより高め。AIによる補正も強化している)

先代の「motorola edge 40 pro」からは、握りやすいスリムなボディが継承されています。ディスプレイのアスペクト比が20:9とやや縦長なことに加え、左右がカーブしたエッジディスプレイを搭載しているためで、横幅は72.4mmに抑えられています。

また、モトローラ・モビリティ・ジャパンの仲田正一社長が「FeliCaは必須だと思っている」と話していたように、同モデルもedge 40 proに続き、おサイフケータイに対応しています。

(▲画像:背面のカメラ横にはおサイフケータイマークが。グローバル版との違いだ)

ミドルハイクラスの端末としてそつなくスペックをまとめてきたedge 50 proですが、充電性能は突出しています。急速充電は最大125Wで、1%からわずか19分程度でフル充電が可能。

発表会でも、プレゼン中のわずかな時間だけでしっかり100%まで充電されている様子が披露されていました。ソフトバンク版のedge 50s proについては、同社がマーケティング的にプッシュしている「神ジューデン」に対応した機種として扱われるそうです。

(▲画像:発表会では、16分程度で1%からフル充電になった)

ここ最近のモトローラはキャリアにグイグイと食い込み、シェアを急増させています。実際、昨年は「moto g53y 5G」をワイモバイルから発売したことに加え、プレミアムモデルに位置づけている「razr 40s」もソフトバンクが取り扱うようになりました。

ラインナップを拡充した結果として、前年度の日本市場では出荷台数が135%増と大幅に成長しました。普通であればプラス35%でも十分な成績ですが、プラス135%と2倍以上に出荷を伸ばした格好です。

(▲画像:日本市場では、前年同期比135%増と、急速に出荷台数を伸ばしている)

先の仲田氏によると、今年度に関しても「従来よりも魅力的な商品を提供することで、同程度の伸びを期待している」といいます。

2倍強にした出荷台数を、さらに2倍ほど伸ばすというのは、並大抵のことではなく、単純にラインナップを拡大するだけでは限界があります。こうしたコメントからは、さらにキャリアへの納入を増やしていく意向がうかがえます。

実際、edgeシリーズも昨年はオープンマーケットモデルだけしかありませんでしたが、今年はedge 50s proとしてソフトバンクが取り扱いを開始しました。これだけでも、edgeシリーズの出荷台数は2倍以上に拡大しているはずです。しかもソフトバンクは、モトローラをかなり強力にプッシュしており、発売初日から1年実質12円の価格を打ち出しています。

(▲画像:ソフトバンクは、発売当日から1年実質12円で販売する)

これは、「新トクするサポート(バリュー)」を適用した場合の実質価格。下取り価格が比較的高い1年で端末を回りしていくことに加え、法令で認められた割引を行うことによって、1カ月あたりの支払額を限りなく下げていく手法を取ってきました。

とは言え、すべてがこの販売方法というわけではなく、ソフトバンク側がプッシュしている“推し端末”に適用されることが多くなっています。

その意味では、ソフトバンクもedge 50s proに期待を込めていることがうかがえます。ハイエンドモデルが高額化する中、10万円前後の端末をフィーチャーする動きが顕在化していますが、その流れに乗った施策と言えるかもしれません。

とは言え、これだけでラインナップ全体の出荷台数を2倍に伸ばすのは、少々難しいような印象も受けます。昨年以上に端末のバリエーションを増やすのか、はたまた取り扱いキャリアがソフトバンク以外に増えるのかは定かではありませんが、まだ手の内が明かされ切っていないと考えた方がよさそうです。

今年度も、同程度の成長をしていきたいと語る仲田社長。ドコモ出身なだけに、取り扱いキャリアの拡大にも期待したい

その秘策を問われた仲田氏は、先に米ニューヨークで発表された「motorola razr 50」「motorola razr 50 ultra」を挙げつつ、「razrも今後投入していく予定」としていました。ここに、モトローラが出荷台数をさらに伸ばすカギが隠されていると言えそうです。

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