リーグ戦6戦無敗で6位浮上、J1アビスパ福岡の好調の要因を物語るデータとは? 長谷部監督「少しずつ高めている」

FC東京戦の後半、先制ゴールを決める福岡・重見(撮影・安藤由華)

J1アビスパ福岡がリーグ戦6戦無敗(5勝1分け)と白星を重ねて6位に浮上してきた。この6試合で2失点。5勝は全て先制点を奪ってロースコアで終える形で、これまでも見られた必勝パターンだが、1試合ごとに公式記録を見てみると、数字に変化がある。

長谷部監督は1―0で白星を収めたアウェーFC東京戦の試合後、「少しずつ高めていることが試合で発表されている。守備一辺倒ではなくて攻撃も成長している。5点、6点取られるようなピンチがあるのではない。だからゼロに抑えられていると思います」と6戦無敗の要因を説明した。

Jリーグの公式記録のシュート数はFC東京戦は9本。7本だった相手を上回った。2―1で勝った26日のホーム横浜M戦は10本のシュートを放ち(相手は12本)、5本のシュート(相手は17本)で勝ちきった第2節のアウェー横浜M戦(1―0で勝利)と大きな変化があった。

「一番いい状態でシュートを打つし、一番いい状態で(味方に)シュートを打たせるということを目指している。そこまでいける回数がもっと増えないと。『そこは(シュートを)打った方がいいんじゃない』という場面がまだちょっと少ない。広島さんは本数がすごく多い(J1最多の1試合平均18・0本)じゃないですか」

シュートの意識に大きな変化が見られたのは3本のシュートで2得点した6月2日の柏戦の後からだ。

12日の天皇杯2回戦で中国リーグの福山シティに16本のシュートを浴びせて8―0で勝って勢いを付けた。ホーム鳥栖戦では14本、5本の相手にシュート数でも圧倒して2―0で快勝。スコアレスドローだった首位町田には7対7とシュート数も譲らなかった。

よりゴールに近づいた状態で打つことで得点確率が高まると長谷部監督は説明する。「ミスなくボールをつないだら、そういうチャンスまでいける」。現在チームの1試合平均シュート数はJ1で下から2番目の10・8。この数値の変化にも注目したい。(記録は7月2日現在)

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