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去年6月、福岡県水巻町で姉を殺害し通帳を奪ったなどとして、強盗殺人などの罪に問われた女の初公判が5日開かれ、女は「殺していない」などと起訴内容の一部を否認しました。
起訴状などによりますと、住所不定・無職の辻和美被告(52)は去年6月、知人の岡村恵美被告(47)と共謀し姉のつぐみさん(当時52)に催涙スプレーをかけた上、首を圧迫して殺害し、通帳と印鑑を奪って現金約103万円を下ろした罪などに問われています。
福岡地裁小倉支部で5日開かれた裁判員裁判の初公判で和美被告は「首を圧迫していません。殺意もなく殺してもいません。また岡村さんと共謀はしていません」などと起訴内容の一部を否認しました。
また5日は検察側の冒頭陳述やその後の証拠調べで、和美被告と岡村恵美被告の異常ともいえる関係が明らかにされました。
2人は約20年前に職場で出会い、和美被告が岡村恵美被告とその家族に毎年100万円単位で送金を続け、合計約5800万円を渡していたこと。
事件当日も和美被告がつぐみさんの口座から得た約103万円のうち、少なくとも91万円を岡村被告へ渡していたことなどです。
検察側は事件前後、2人が一緒に行動していたことなどから共謀による犯行としました。
また、「催涙スプレーを被害者の顔面めがけて噴射し、ねじったポリ袋を用いるなど、何らかの方法で被害者の首を強く圧迫し窒息させた」とし、「金銭ほしさの犯行で身勝手で自己中心的。刑事的責任は重い」と指摘しました。
一方、弁護側は「亡くなったのは被告の暴行のせいではない」などと反論し、強盗殺人罪ではなく強盗罪にとどまると主張しました。
判決は8月1日に言い渡される予定です。