山田涼介、理想の教師像は八嶋智人 『ビリオン×スクール』“初教師役”への意気込み

山田涼介が主演を務めるフジテレビ系金9ドラマ『ビリオン×スクール』の放送が、7月5日よりスタートする。本作は、日本一の財閥系企業のトップであり、億万長者=ビリオネアの主人公が、身分を隠して私立絵都学園の教師となり、さまざまな問題に立ち向かいながら生徒と共に成長していく、オリジナルストーリーの学園コメディー。

本作で山田が演じるのは、「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の生徒が集められた3年0組を担当するどこかクセのある教師・加賀美零役。自身初の“教師役”を務める山田は本作ではどんな新境地を拓くのか。記念すべき第1話の放送を前に話を聞いた。(編集部)

――今夜からドラマ『ビリオン×スクール』がスタートしますが、今の率直な気持ちを聞かせてください。

山田涼介(以下、山田):早く観ていただきたいです。僕もすでに拝見しましたが、大変満足のいく仕上がりになっていました。自分が出ている作品は、客観的に観れる作品がなかなかないので、それだけ気楽に観られるドラマなんだと思います。どの年代の方にも楽しんでいただける作品ができたと自信を持っているので、ぜひ観てほしいです。

――“オリジナルストーリー”の学園コメディーとなっている本作の見どころは?

山田:よく「笑いあり、涙あり」と言いますけれど、「笑いあり、笑いあり、笑いあり、涙あり」な作品だと思います。ただ、ずっとふざけているわけではないんです。みんなキャラが濃いですし、最後の方には生徒に対して加賀美が、“芯を食った言葉”を投げかけるシーンも。グッと来るようなところもあれば笑いもあり、バランスのいい緩急のあるドラマだと思っています。

――加賀美という役を演じてみて、どのような人物だと解釈しましたか?

山田:横柄ですし、自分の言うことを曲げない。けれど根っこには熱い部分がちゃんとあって、それを無理に相手に押し付けようとはしません。「俺はこれを言うから、お前がどう拾うかは自由だ」というスタンスですね。だから生徒ときちんと向き合って対話するシーンは意外と難しく、自分として特に力を入れた部分の1つになっています。話を重ねるごとに加賀美の面白い部分を絵に残そうという気持ちが出てきているので、視聴者の方と一緒に加賀美を育てていきたいなと思っています。

――以前、本作について「現場を引っ張っていきたい」と話されていましたね。

山田:実際に引っ張っていけているかどうかは、自分が自覚することでもないなと思っていて。周りの方が「山田がいるから楽しいな」とか、「明るいな」とか思ってくれるような存在になれたらいいなと感じています。僕はタイプ的に「今日も頑張っていこうよ」と熱く接する方ではないので、馴染みながらも皆さんが笑顔で楽しく、暑さに負けないで撮影できていたらいいなというのが僕の気持ちです。

――教室でのシーンと職員室でのシーンは、お芝居に違いがあるように感じました。これらを表現する上での取り組みを教えてください。

山田:このドラマは生徒たちが抱えているものや葛藤を描いているので、生徒とのシーンは「真剣なパート」として演じています。自分の中では、職員室は「笑いパート」というように分けていますね。前半戦はそこのメリハリやコントラストをしっかり出しているので、面白いと思います。

――生徒役で出演している山田さんの後輩・松田元太さんが「口数では周りの生徒役の方に負けない」と言っていましたが、実際はいかがですか?

山田:元太が1位とはまだ言えません。生徒役には水沢林太郎くんがいますけれど、林太郎もまあ喋るので。ドラマでは物静かな役どころですが、陽気な子です。だから林太郎と元太はいい勝負をしているんじゃないかな(笑)。

――『探偵学園Q』(日本テレビ系)以来となる志田未来さんとの共演はいかがですか?

山田:志田さんは本当に変わらないですね。見た目や声ももちろんですし、「時が止まってるな」という印象がありました。並んでお芝居をした時に昔のことがフラッシュバックし、懐かしい記憶が蘇りましたね。親戚のおじさんみたいな不思議な気持ちになりました(笑)。

――お芝居での具体的な変化は感じましたか?

山田:受けの芝居のうまさが際立っていますね。永野宗典さんや坂口涼太郎さんのアトリブにも全部対応しているんですよ。志田未来さんならではという感じ。精密だなと思いましたね。

――山田さんはこれまでさまざまな作品で生徒役も経験してきました。教師役、生徒役、どちらの感覚も分かった上で「生徒を持つ」ということに思うことはありますか?

山田:あまり生徒だから、先生だからという気持ちで教壇に立っていなくて。自分が少しでも影響を与えてあげられたらいいなぐらいの感覚で立っています。僕は、お芝居の場には上も下もないと思っています。みんなプロとして同じ場所にいるから、あんまり役でどうこうというのは考えていないかもしれませんね。

――では、今まで生徒役を演じてきた中で影響を受けた教師像はありますか?

山田:『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日本テレビ系)に出演した時に、教師役の八嶋智人さんが休憩中、リアルに生徒たちの相談にのっていたんですよ。その姿を子供ながらに素敵だなと思っていました。ですから僕も、芝居だけじゃなくても、悩んでいることがあれば相談してくれれば、答えられる範囲で答えたいなと思っています。

――いよいよ今夜放送ですが、ドラマの反響は楽しみにしていますか?

山田:第1話に関しては、ちょっとサプライズ的なこともあるので、そこに反響がいくだろうなと思っています。

――第1話では山田さんのアクションシーンもたくさんあるようですね。

山田:アクションシーンや派手なシーンはもちろんのこと、会話劇や生徒の思いもきちんと観てもらいたい第1話になっています。本質的な部分はそこだと思うので、加賀美が派手なことをやっているのはオマケ程度に思ってもらえたら。1話ごとに生徒の思いが違っているので、楽しみ方も変わってくると思います。そこに対して木南晴夏さん演じる芹沢と加賀美がどういうアプローチで解決していくのかというドラマになっているので、特に1話目は観ていただけたら嬉しいです。
(文=Nana Numoto)

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