投票証明書でおトクなサービス受けられる「センキョ割」 投票率向上につながる?街からは賛否の声

7月7日投開票の東京都知事選挙。
投票率向上を目指した「センキョ割」というキャンペーンをめぐり、賛否の声が上がっている。

“割引目的”の投票に疑問の声も…

「センキョ割」とは、投票所で投票したあと受け取る「投票証明書」を持って対象の店舗に行くと、割引やサービスを受けられるというもの。
このキャンペーンは、ラーメン店やカフェ、美容院など都内の約250店舗で行われている。

センキョ割について、街の人からは賛否の声が聞かれた。

20代女性:
いいと思います、選挙に行く人が増えるなら、今まで行ってなかったし、行くつもりもなかったんですけど、(センキョ割を)もっと早く知ってたら行ってたかもしれないです。

70代男性:
自分がきちんと考えてない人に投票するんじゃ意味ない。割引を目的に行くんだったら、どうでもいいやって感じで入れるんじゃないですか。

期日前投票に訪れた人に、センキョ割について知っているか聞いてみると…。

期日前投票に行った人A:
知らないですね。本来ならば、そういうのなく投票は行くべきかなというところがあるんですけれども。

期日前投票に行った人B:
知らなかったです。こういうのがあれば、みんなちょっと行ってみようかなって、一歩になると思うので…。

約5年前からセンキョ割を行っているというラーメン店では、替え玉か味玉が無料になるという。

百麺(ぱいめん)世田谷本店・渡辺美智子さん:
選挙に行って、「ラッキー、選挙行ったらこんなサービスがあるんだ」。選挙にもうちょっと興味を持ってくれたらなと思います。

対象のベーカリーでは、実際にセンキョ割を使用する人も。

センキョ割を使用した客:
「これ(写真)でもいいですか」って言ったら、「いいですよ」ってことで…。
「こんなのあるんだ、じゃあ行こうかな」ってなる人が、もしかしたらいるかもなと思う。

普段から選挙に行っている人にも「背中も押せる」

センキョ割を企画した団体の代表者は、取り組みの意義を強調する。

選挙割協会代表理事・佐藤章太郎さん:
(選挙に)行ってない人たちが一歩目として行く機会を後押しするとか、行ってる人たちも時に、「今日なんか面倒くさいや」とか「ちょっと忙しいや」っていうことで、行かなくなるときもあるかもしれませんけども、センキョ割があれば、背中を押せるようなものにもなると思います。

一方で、特定の候補者への利益誘導や、買収の可能性が指摘されていることについては…。

選挙割協会代表理事・佐藤章太郎さん:
弁護士とか、選管に携わっていた方とか、いろいろな人たちと協議しながら、これであれば公職選挙法に抵触することはないだろうという形で、厳しめに独自のルールを設定している。

選挙を所管する総務省は、「公選法上すぐに問題になるようなものではない」とし、投票率の向上については「投票環境の改善によって図っていく」としている。
(「イット!」7月5日放送分より)

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