「3年待って大正解」HD-2D版『ドラクエ3』新旧PVを比較して判明した「意外な違い」

HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』『ドラゴンクエストI&II』(スクウェア・エニックス)

6月18日に配信された『Nintendo Direct 2024.6.18』にて、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売日が2024年11月14日であることが発表。最新版のPV映像などが公開された。

思い返せば、2021年5月27日にHD-2D版『ドラクエ3』の制作が発表されてから早3年が経過。3年前に公開された2021年版のティザームービーと、今回あらためて公開された2024年版の最新映像を見比べると、さまざまな部分に変更が加えられていることが分かった。

ここからは2021年版PVと、2024年版PVの映像を比較して判明した、「グラフィック」「フィールド」「バトル」それぞれの進化したポイントを紹介していこう。

■2021年版PVとまるで違う!? グラフィック面に大幅な変化が!

まず、パッと見ただけで大きな違いを感じたのが、グラフィック面の変化だ。「HD-2D」とは、ドットと3DCGを融合させたグラフィック表現のこと。2021年版PVを見るかぎり、ドットのテイストを色濃く残したグラフィックで、どちらかというとスーパーファミコン版『ドラクエ3』の進化版といった印象を受けた。

しかし、2024年版PVのグラフィックは、ドットのテイストはかなり薄まり、より自然なかたちで3DCGと融合したグラフィックへと進化している。街に生えた木々も、枝葉に至るまでしっかり確認できるほど詳細に描かれていた。

また、どちらのPV映像にも主人公がアリアハン城に入っていくシーンがあったが、そこを見比べると建造物のスケール感も大きく変わっていることが一目瞭然だ。

2021年版PVのアリアハン城は、一画面に収まるミニチュア的なデフォルメ表現が施されていたが、2024年版では画面に収まりきらないほど雄大な城として、リアルに表現されていた。

そしてキャラクターの動きや、戦闘時のエフェクトなどの滑らかさも、最新映像で大幅に進化しているのがお分かりいただけるだろう。

■フィールドはより広大に感じられるように

続いては、フィールドマップの変化についても触れておこう。2021年版PVのフィールドマップはかなり高い位置から見下ろした視点で、フィールドを歩くキャラクターの姿は小さく感じた。

それが2024年版PVだと、フィールドマップのスケール(縮尺)がリファインされ、キャラクターがかなり大きく描かれている。それにともなって、プレイヤーの視点自体も低くなり、フィールドの高低差や、地面の凹凸まではっきりと分かるようになったのも大きな違いだ。

そのかわりプレイヤーが見渡せる視界範囲は狭まることになったが、逆に未到達の街や洞くつなどの位置が分かりにくくなり、より冒険をしている臨場感が増したともいえるだろう。

■視覚的効果がパワーアップした迫力のバトルシーン

RPGの肝ともいえる戦闘シーンにも、さまざまな違いが見てとれる。2024年版PVにあった戦闘時のコマンド入力シーンでは、主人公たちのグラフィックがより細部まで鮮明に描かれていた。

風になびくマントや髪のうねりの動きもリアルで、装備品も2021年版に比べると詳細に描かれている。なお、最新PV映像では、女戦士が「くさりがま」らしき武器を持っている姿も確認できた。

また、戦闘中のダメージの表現方法も変更されているようだ。2021年版のPVでは、ダメージを受けると、そのキャラのHPバーが減り、残りHPのみが表示される仕様だったが、2024年版では攻撃を受けた直後にHPバーの横に被ダメージ数が表示され、視覚的にも分かりやすく改良されていた。

先日公開されたトレーラー映像はわずか2分弱の動画だったが、約3年という開発期間を経て、着実に改良が重ねられたことが感じられる内容だった。映像を見たファンから「ほんとにグラフィックが全然違う」「ここまで違うとなると作り直したのかな?」「何年も待ったかいがある」といったポジティブな感想が多かったのも頷ける。

しかし、一部のファンからは「個人的には旧版のグラフィックが結構好き」「正直旧の方が好みではあったけど、購買意欲は下がってない」という意見もあった。

このように、リメイクの方向性に関する好みは意見の分かれる部分だが、3年間も待ったファンの予想を上回る進化を遂げているのは間違いないだろう。今年11月14日のHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売が今から楽しみでならない。

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