ハンガリー首相ロシアを電撃訪問「ヨーロッパで唯一、ウクライナとロシア双方と対話できる国」と主張もEU内で波紋

EU(欧州連合)の議長国、ハンガリーのオルバン首相はロシアを電撃訪問し、プーチン大統領との会談で「ハンガリーヨーロッパで唯一、ウクライナとロシア双方と対話できる国だ」と述べました。

オルバン首相は5日、ロシアの首都モスクワで、プーチン大統領とウクライナ問題や二国間関係を協議しました。

会談後の会見でオルバン首相は「ロシアとキーウの立場がいかに離れているか理解した」としたうえで、「議長国として主な任務は平和に向けた戦いだ。ハンガリーはヨーロッパで唯一、ウクライナとロシア双方と対話できる国だ」と主張しました。

また、プーチン大統領は「ロシアとEUの関係は最低レベルにある」と述べ、オルバン首相の訪問を「EUとの対話再開に向けた試みだと認識している」と歓迎。

ウクライナ侵攻については、ロシアが一方的に併合したウクライナ東部と南部の4つの州から軍を撤退することが解決の条件だと述べ、従来の主張を繰り返しました。

一方、オルバン首相のモスクワ訪問をめぐっては、EU内で波紋が広がっています。

シャルル・ミシェル議長は4日、「輪番の議長国にEUを代表してロシアと接触する権限はない」と、独断でのモスクワ訪問を厳しく批判したほか、エストニアやポーランドなどヨーロッパ各国の首脳も自身のSNSで、オルバン首相のモスクワ訪問に非難や疑問を呈するコメントを発表しました。

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