カナダ失業率、6月は6.4%と2年5カ月ぶり高水準 早期利下げ論強まる

Promit Mukherjee Ismail Shakil

[オタワ 5日 ロイター] - カナダ統計局は5日、6月の失業率が6.4%に上昇したと発表した。2年5カ月ぶりの高水準。人口が急増する中、十分な雇用が確保できない状況が浮き彫りになった。

特に若者の失業率が新型コロナウイルス禍の期間を除くと約10年ぶりの高水準に達したことも示された。カナダ銀行(中央銀行)が今月利下げに踏み切るとの見方が強まっている。

6月の雇用者数は差し引きで市場予想の2万2500人の増加に対して1400人減となり、足元のカナダ経済の低調な現状が改めて示された。エコノミストらは、失業率の上昇はカナダが景気後退に向かっている可能性があると指摘した。

正規雇用の平均時給伸び率は5.6%と、5月の5.2%から加速。昨年12月(5.7%)以来の高水準となった。カナダ中銀は賃金上昇率をインフレ圧力の指標として注視している。

デジャルダン・グループのマクロ戦略責任者、ロイス・メンデス氏は「金利を引き下げることが、今後の住宅ローン金利に伴う負担を和らげ、経済の軟着陸への希望を少しでも保つ唯一の方法だ」と指摘。カナダ中銀行は今月25ベーシスポイント(bp)の利下げを行い、その後の3回の会合でさらに2回の利下げを決めるだろうとの見方を示した。

カナダ中銀は6月に約4年ぶりに主要政策金利を引き下げた上で、インフレが引き続き沈静化すればさらなる引き下げの可能性があると述べた。

カナダ中銀の次回政策決定会合は7月24日。その約1週間前にはインフレ指標が発表される。

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