スプリントはオーバーランのアコスタ、決勝レースでの「最年少優勝記録」の更新は/MotoGP第9戦ドイツGP

 ドイツGPで、ペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)が「最年少優勝記録」更新の最後のチャンスを迎えている。決勝レース、アコスタはどう戦うのだろうか。土曜日のスプリントレースは、オーバーランによって22位で終えている。

 マルク・マルケスが持つ、最高峰クラスにおける「最年少優勝記録」は、20歳63日である。2004年5月25日生まれのアコスタにとって、ドイツGPがこの記録を更新できるラストチャンスとなる。

 土曜日のスプリントレースでは、アコスタは10番手からスタートした。その後、12周目にオーバーランを喫して後退し、最後尾の22位でゴールしている。オーバーラン以前、スタートではホールショット・デバイスのトラブルもあった。アコスタはレース後の囲み取材で、そう説明している。

「スタートではフロントのデバイスを解除できず、7コーナーまで苦しんだよ。その後もいくつかの問題があったけど、だんだんよくなった。ラウル(・フェルナンデス)をかわして、ブラッド(・ビンダー)とアレックス・マルケスにも接近した。だから、思ったほどタフだったわけではないよ」

 シーズン序盤のアコスタは、MotoGPクラスのルーキーとしては転倒が少ないライダーだった。だが、オランダGP終了時点で、転倒回数は9回。ドイツGPでは金曜日のフリープラクティス1で1回、プラクティスで1回、転倒を喫した。少しずつ、転倒が増えている。

 ただ、レースだけを切り取ってみると、転倒回数は、やはり少ない。スプリントは第9戦ドイツGPまで全て完走しており、決勝レースではフランスGPとオランダGPを除いて、完走している。それがアコスタの強みの一つだと言えるだろう。ちなみに、オランダGPは「今季のなかでもタフな週末だった」という。アコスタは「まだ取り組まなければならないことがたくさんあるとわかった」と述べている。

 ルーキーながらレースでの高い完走率を持つアコスタだけに、ドイツGPスプリントレースでのオーバーランには疑問を抱かせるものがあったが、アコスタが語ったところによると、「すでに苦しんでいた部分」があったということだ。

「ストレートを走っていたらフロントタイヤがロックした。ストレートで起こったから、少しおかしなところがあったけどね。でも、今週末、僕たちはこれについて苦しんでいた。チェックしなくちゃいけないところだ」

 アコスタは日曜日の決勝レースに向けて、「リヤタイヤのオーバーヒートについて、僕たちにとってはよくなるだろう。ただ、リヤのマネジメントについてはどのライダーにとってもタフになるだろうと思うよ」と語った。

 シーズンが進み、ドゥカティが本来の勢いを取り戻すにつれて、アコスタ自身も、特に決勝レースでは表彰台に手が届かないレースが続いている。ただ、現在のチャンピオンシップのランキングを見れば、アコスタはランキング6番手で、KTM勢として最上位なのである。「最年少優勝記録」の期待ももちろんだが、アコスタが、MotoGPルーキーシーズンの前半戦をどんなレースで締めくくるのか、気になるところだ。

プラクティスでは1コーナーで転倒を喫している

投稿 スプリントはオーバーランのアコスタ、決勝レースでの「最年少優勝記録」の更新は/MotoGP第9戦ドイツGPautosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄